こんな国産車あったの!? ハイルーフとドアの形が大ヒント! ローマ神殿のようなグリルの日産車の名前は!? 

オーナーのトロケンさんとオーテック・アデュー
現在はニッサン・モータースポーツ・インターナショナルと統合、日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社となったオーテックジャパン。スカイラインの父と呼ばれる初代桜井眞一郎社長の時代から、スカイラインは言うに及ばず、数多くの日産車をベースとしたカスタマイズカーをリリースしてきた。そんなヒストリーの中にあって、異色にみえる一台がある。その名はオーテック・アデュー。AOG 湘南里帰りミーティング2023にて取材したオーナー車を見ていこう。
ハイルーフとドアの形が大ヒント!

そのベースはY60型日産・サファリ。
同じステーションワゴンタイプのボディを持つトヨタ・ランドクルーザー60系と肩を並べ、本格クロスカントリー車の旗艦として、80年代のクロカンブームの時代を牽引した1台だ。

サファリの中でも大柄なグランロードあるいはキングスロードがベースであると思われ、全長はほぼ5メートル、全幅も1.9メートルを超えるもの。

そんなサファリをベースとしたオーテック・アデューは儀礼車と呼ばれるカテゴリーに入るボディスタイルを持っている。
中でも、葬儀などで葬送の際に用いられる霊柩車として使われることも想定した架装が施されている。

特にモディファイが施されているのが、フロントノーズ周り。
ローマの神殿を想起させるような大型のグリルに、クラシックカーのようなクラムシェルフェンダーが誂えられている。
そしてウインドシールドからグリルに向かって絞り込まれたボンネットはサファリのノーマルよりもセンターの峰が切り立ち、そこをスカイラインとするように、左右に裾野が広がっていくかのような迫力をもったデザインとなっている。

ハイルーフボディとなるルーフは、ランドウトップ あるいはファントムトップと呼ばれる架装がされており、車両後部を優しく包んでいる。

鶴と思われるフロントグリルのオーナメント
グリルに負けていない大柄なボディ
大きなオーナメントと大きなグリル
観音開きのリアゲートはノーマル同様の左右比率
サイドアンダーミラーはフラッグポールに装着される
4駆であることとはまた別の押し出し感があるデザイン
サイドからリアまで車体を囲むようにメッキのガーニッシュが装着され水平基調の車体をより伸びやかに強調する
ホワイトリボンのタイヤと組み合わされているホイールは2ピースと思われるディッシュタイプ。ベース車両と同様に6穴だ
ホワイトリボンのタイヤと組み合わされているホイールは2ピースと思われるディッシュタイプ。ベース車両と同様に6穴だ
ステアリングは交換されているが、ダッシュボードなどコクピットスペースは基本的にベース車に準拠する
寝台スペースと運転席はレースのカーテンで隔てられる
オーナーは車中泊の経験もあるという広い寝台部分
リアドアは観音開き
運転席側後部のみオーバルデザインのウインドウが装備されている
クラムシェルフェンダーがクラシックかつエレガント
Cピラー以降はクォーターウインドウが埋められランドウトップに覆われる。シルバーメッキのアクセントパーツで加飾されている
ヘッドライトは7インチ規格の丸目。オーナーであるトロケンさんのネームプレートも装着
テールレンズは丸目タイプの組み合わせ
ウインカーはクリアタイプ
安全基準をクリアするためドアミラーは純正のまま
搭載されるエンジンは、直列6気筒TB42E型ガソリンエンジン。 4169ccの排気量でOHVだ
ボディサイドの給油口はむき出しとなり、給油キャップが鍵付きとなる
里帰りMT初参加だったオーナーのトロケンさん。購入に至ったノリはクラシックなホットロッドやチカーノによるローライダー、スポコンなどのドレスアップカーのカテゴリーに近い認識といえそうで、その明るさで本来の役割を終えたアデューに第二の車生を送らせているようだ。しかも2台を所有しているという情報も!

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著者プロフィール

古川 教夫 近影

古川 教夫

クルマとバリアフリー研究家。基本は自動車雑誌編集&ライター&DTP/WEBレイアウター。かつてはいわ…