新型アルファードで、大評価したい「価格を抑えたグレードでの福祉車両サイドリフトアップチルトシート装着車」のデビュー即登場

新型アルファード イチバン安い福祉車両グレードって、どんなの? 標準Gグレードが出たらその価格は?

アルファード G(ガソリン・2WD)サイドリフトアップチルトシート装着車<オプション装着車>
新型アルファード最安が税抜き472万円のGグレードベースのサイドリフトアップチルトシート装着車。Gグレードが出たらいくらになるのか、予想してみました。

40系のアルヴェル、新型アルファード&新型ヴェルファイアは、発売開始時のグレードとして、アルファードの標準車がZとエグゼクティブラウンジで、エンジン、駆動方式の違いで計6つ、ヴェルファイアもZプレミアとエグゼクティブラウンジで計6つと、12の仕様があることになります。標準車で一番価格が低いのはアルファードの2.5LガソリンエンジンのFF車で、540万円。

しかし、それより安いのがアルファードに用意されているウェルキャブ(福祉車両)にあります。

価格は税抜きで、472万円。ウェルキャブだからなにか装備が増えて高くなるものじゃないの? とおもうところですが、実はベースとなるグレードが、現状の標準車の展開にはないGグレードとなっているのです。

先代の場合、エグゼクティブラウンジを上位として、G、X、Sといったグレードがありました。またヴェルファイアではV、Z、Xと並びます(各CパッケージやFパッケージ、Lエディション、ゴールド某などもあります)。

新型アルファード・ヴェルファイアは、いまのところZ系グレードのみとなっているので、今後Gグレードの標準車が出てくる場合、今回のウェルキャブより価格が抑えられる可能性はあります。

先代の2.5 G サイドリフトアップチルトシート装着車が税抜きで442.1万円。ざっくり近い標準車の2.5Gが、税込みで453.9万円ですから、税抜きで412.6万円。Sの場合、同様に388.4万円と355万円とおおよそ30万円の差があったのです。さらに下位のグレードが用意されるかはさておき、現在のウェルキャブの472万円の標準車仕様があるとすると、445万円ほど。税込み価格として490万円前後の価格帯となってきます。

先代30アルファードのモデル末期、2.5Sグレードが税込み400万円を切る価格帯だったことも挙げておきます。

そこまでの価格帯が用意されるかは、わからないせよ、今後販売グレードの拡充にしたがい、下位グレードが増え、価格帯が下にシフトしていく可能性もあるかもしれません。

サイドリフトアップチルトシート装着車ってどんなクルマ

ところで、トヨタではウェルキャブと呼ばれる、福祉車両となるサイドリフトアップチルトシート装着車はどのようなクルマなのでしょうか?

サイドリフトアップチルトシート装着車は、その名の通り、電動でスライドダウンするチルトシートをセカンド席(左)に装備しています。
セカンドシートが回転して、車外へスライドダウン&チルト。立ち上がりや着座をやさしくサポートする構造となっています。
従来からのサイドリフトアップシート装着車と異なり、座面前方が下方にチルトするため、そのまま足をおろせるユーザーの補助になるという大きな特徴があります。

また、このチルト機構によって座面を下げ切らずに車外で立ち上がれる仕組みとしています。

これにより、シート自体が車外の低い位置まで飛び出る必要がなくなるため、車外に出るシート出代が小さく、となりにクルマが停まっていても乗降が可能となります。

この最大のメリットは、雨の日でもシートに乗ったユーザーが濡れにくくなることです。

また、左右の駐車枠との間が狭い駐車スペースでもこのシステムを使った乗降を使える可能性も上がります。

このほか、標準装備のワイヤレスリモコンを使って、乗り降りをより快適にサポートでき、また、フットレストを大型化し、乗り降りおよび室内で着座時の膝の角度がゆるやかになり、膝への負担が少ない仕様となっています。さらに、シートを室内に戻すと、降車前のシートポジションに自動的に復帰するメモリー機能も搭載しています。

G“サイドリフトアップチルトシート装着車”(ガソリン・2WD)(内装色 : ブラック)

標準的なGグレードが登場したら、同じ仕様になりそうなもの

このウエルキャブが現状唯一のGグレード。あくまでも予測ですが、今後アルファード&ヴェルファイアの供給台数が増やせる状況になった場合、標準車にもGグレードを含めたグレードバリエーションが追加される可能性もあります。

その際に、内装のシート表皮や加飾パネルはこのウェルキャブと共通のものになるかもしれません。

このGサイドリフトアップチルトシート装着車では、ステアリングは本革巻き3本スポーク、インストルメントパネルは一部合成皮革巻き。ドアパネルとともにグラファイトメッシュの加飾、そしてブロンズ塗装となっています。シート表皮はファブリック+合成皮革です。

なお、ホイールは標準車のZ系と同じデザイン&サイズ(225/65R17タイヤ+17インチ6.5Jアルミっホイール)のようですが、スパッタリング塗装ではなく、シルバーメタリック塗装となっています。

あくまでも予想ですが、標準車のGグレードも同一の仕様となることが予想されるので、グレード追加にかけるというユーザーは、ウェルキャブでその内外装をチェックしておくことも検討の一助になるかもしれません。

便利な装備にはこんなものも

このほか、アルファード&ヴェルファイアには、標準車でも乗降時に便利な装備が増えています。

低身長のお子さんなどでも使いやすい、下段まで伸びたアシストグリップなど、どのグレードを選んでもその便利さを享受できるアイテムもあり、銘柄全体でバリアフリーが進んだといえるかもしれません。

ちなみに、ユニバーサルステップを右に装着するのは今回の新型が初ですが、これまで道路での出入りを考えてか、車両右側への装備品はあまり多くなかったトヨタとしてはトピックでしょう。

発売当初からのウェルキャブラインナップはありがたい

いずれにせよ、上級グレードではなく、価格帯を抑えたグレードで、新車発売当初より先代モデルにあった仕様の福祉車両を用意しているというトヨタの姿勢は大きく評価すべきことだと思います。

欲を言うなら、ミドルクラスまでに集約されてしまった福祉車両、車いすスロープ車のアルファード&ヴェルファイアでの復活にも期待したいですが、この全長全幅のサイズになると、実際にはスロープを後ろに展開するより、ハイエース+車いすリフトのように後方への張り出しを抑えたほうが有用なのは確かなので、なかなか厳しいかもしれません。

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著者プロフィール

古川 教夫 近影

古川 教夫

クルマとバリアフリー研究家。基本は自動車雑誌編集&ライター&DTP/WEBレイアウター。かつてはいわ…