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新規格が後押し、さらに増えるライバルたち
1990年代、衝突安全性の向上が求められ、当然それは軽自動車にも波及。それまでのサイズではクラッシャブルゾーンの確保が困難となり、1998年にはサイズを少し拡大して、新規格化されることが決まっていた。そのなかでワゴンRが大ヒットしてしまった。
つまり、ワゴンRの対抗モデルを登場させても、1998年には新規格に合致した新型を投入しなくてはならない、ということ。だが我慢できなかったダイハツは1995年、ハイトワゴンのムーヴを登場させる。ホンダも1997年、同様のコンセプトでライフを復活させた。とはいえ、ムーヴとライフはともにヒットし、ワゴンRのような軽ハイトワゴン人気は本物だと証明。いよいよ軽ハイトワゴン時代が到来したのだ。
mmとし使い勝手のいい室内を実現。短命が決まっていたため、ターボや4WDは用意されなかった。
各メーカーから出揃った、軽ハイトワゴン
1998年秋、新規格軽自動車が一斉に登場した。ワゴンRも初代のコンセプトを進化させた2代目が登場。短命だったムーヴ&ライフもモデルチェンジされた。そしてこの新規格化を渡りに船とばかりに軽ハイトワゴンを登場させたメーカーもあった。スバルと三菱である。スバル・プレオ、三菱トッポBJが登場した。ワゴンR登場からわずか5年で、全軽自動車メーカーがハイトワゴンを主力に据えたのだった。日産は2002年から軽自動車販売に進出し、当初は他メーカーからOEM供給を受けていたが、三菱と提携後は自ら共同開発に参画。3代目三菱eKワゴンと兄弟車となる日産デイズを2013年に登場させた。ワゴンRが放った軽ハイトワゴンの潮流は現在も軽自動車の主流であり続けている。
こんなユニークなモデルもありました
1998年秋に一斉に登場した「新規格軽自動車」。なかにはユニークなものもあり、スズキのKeiは一見何の変哲もないが、大径のタイヤを履いたクロスオーバーSUVの先駆けだった。ヒットには至らなかったものの、2014年に登場する後継モデル、ハスラーの大ヒットにつながった。ホンダの軽トラックは代々ミッドシップであり、そのメカニズムを応用したのがホンダZ。世界的に現在でも類を見ないミッドシップSUVだった。
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STYLEWAGON(スタイルワゴン)2023年10月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]