新型スイフトは、らしさを守りながらクラス水準を超えるコンフォート性能を実現!

スズキの新型スイフトに試乗! 進化したのは見た目だけじゃなかった!|新車レビュー

・欧州やインドなど、グローバルに展開していく新型スイフト
・プラットフォームは先代を継承しサイズはほとんど変化なし
・エンジンが直列4気筒から直列4気筒に変更
・ハードウェアが進化した運転支援機能が充実

乗り心地や静粛性もワンランク上に向上!

一昔前に比べて、クルマの値段も随分上がったなと実感する昨今。新型スイフトの172万7000円〜という価格帯も、先代モデル発売時のスタート価格が166万8600円だったことと比べれば、ちゃんと時間の経過に伴う価格上昇を実現している。

問題は物価の上昇に賃金の上昇が追い付いていないことだが、ここではそれはさておいて、新型スイフトが価格上昇に見合った進化を遂げているかどうかに注目しよう。

新型スイフトは先代からプラットフォームを継承しており、ボディ寸法やパッケージングもほとんど変化していない。その上でボディは新設計されており、高張力鋼を採用することで衝突安全性を向上させている。

そして、今回のフルモデルチェンジで重点が置かれたのがNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)性能だ。走っている時の音や振動を抑え、快適な乗り心地を実現していることが乗ると実感できる。

エンジンが直列4気筒から直列4気筒に変更されたため、始動時には3気筒特有のコトコト感は感じるものの、暖機が済んで全てがなじんでくると気にならなくなってくる。撮影中は後席にカメラマンを乗せて移動し、撮影してはまた移動というルーティンを繰り返したが、前後席を挟んでのカメラマンとの会話も実に明瞭だった。

それで資料を紐解いてみたところ、実際にダッシュパネルの板厚を上げてエンジンルームからの透過音を下げていたり、吸音材を適材適所で追加しているとのこと。新開発のボディの接合には接着剤も採用され、その接着剤が振動を減衰する効果を発揮することで静粛性と乗り心地の向上にも貢献しているそうだ。

そうした進化は、世の中すべてのクルマに歓迎されて然るべきだが、一方で「スイフトらしさ」とは何かを考えると、ハンドリングの軽やかさや、キビキビと走る俊敏さも捨て難い魅力である。

単に吸音材を追加すれば重量が増すので、スイフトならではの「軽さ」はスポイルされかねない。だが、新型スイフトはそこら辺の塩梅が絶妙にバランスされている印象だ。

ステアリングフィールはリニアで、いい意味で重厚感とは無縁。荷重変化を利用した車両コントロールを積極的に楽しみたくなる性格で、例えば信号の変わり目に少々オーバースピード気味に交差点に突っ込みながら曲がる、というようなシチュエーションでは、しっかりロールを抑えた安定性と路面追従性を実感できる。自信を持って運転したくなる「スイフトらしさ」は健在なのだ。

それでいてハードウェアが進化した運転支援機能も充実し、ある意味「クルマ任せ」に走らせられる領域が拡大。アダプティブクルーズコントロールと車線維持支援機能は、カーブ手前で適度に減速しながら操舵支援も行う制御に進化したが、その実用性は一般道でも体感することができた。

日本だけでなく、欧州やインドなど、グローバルに展開されていく新型スイフト。スズキのクルマづくりここにあり、を改めて世界に示すコンパクトカーの新機軸となりそうな予感だ。

STYLEWAGON(スタイルワゴン)2024年4月号より

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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