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Q1.お手軽なリフトアップ方法を教えて下さい
A. 30ミリ前後のいわゆる「ちょいアゲ」なら、手間もコストも少なくお手軽です。フロントについて、やり方はおもに2通りあり、コイルスプリングを交換する方法と、ストラット上部またはナックルとの接続部をかさ上げする方法があります。どちらも車高が上がるのは同じですが、できるだけリスクを抑えたいならコイル交換をオススメします。ただしショックは純正のままなので、伸び側のストロークは不足気味になり、時には伸び切って突き上げが来ることも。そうでなくとも乗り味は硬めになります。リアについてはリーフスプリングとホーシングの間にブロックをかませるのが主流。いずれの手法も前後セットで商品代が3〜4万円、取り付け工賃は2〜3万円くらいが目安です。
フロントはコイルスプリング交換、リアはブロックで上げるタイプのリフトアップキット。パーツ点数が少ないため比較的安価で、取り付けも難しくない。とはいえ、装着はプロに依頼を。
Q2.リアはブロック以外では上げられない?
A. ハイゼットもキャリイも、リアはリーフスプリング式を採用しています。その構造上、ブロックを使って上げるのが最も手っ取り早く、低コストで済みます。なので軽トラのリフトアップキットといえば、リアはほぼブロック一択という状況なんですね。物理的にはリフトアップ仕様のリーフスプリングに交換しても車高は上がりますが、おそらく軽トラ用は出ていないのでは? 昔のジムニーやハイエース用なんかは見かけますけどね。ほかにはシャックル交換でリフトアップも可能ですが、これは上げ幅に関わらず構造変更が必須になるため、ちょっとハードルが高めです。
リーフスプリングとホーシングの間にブロックをかませ、その高さの分だけ車高をアップ。ブロックはU字ボルトで固定する仕組み。
Q3.車高調を使ってリフトアップするメリットは?
A. コイル交換のみ場合は、やや硬め&長めのバネと純正ショックという組み合わせになります。そのためバネレートに対して減衰力のバランスがうまく取れなかったり、走行中にショックが伸び切ってしまう可能性が出てきます。車高調ならそうしたリスクを解消でき、さらに減衰力調整付きのタイプであれば好みの乗り味に設定できるので、乗り心地の面では圧倒的に車高調が有利です。またコイルがスリムな直巻タイプになるため、タイヤを太くしても干渉しにくいという利点も。ちょいアゲでも理想はフロント車高調です。
但東自動車ではフロント車高調+リアブロックという組み合わせのS500系ハイゼット用1インチリフトアップキットをラインアップ。価格は9万6800円。
Q4.40ミリ以上アップするなら構造変更しないとダメ?
A. フロントのコイルスプリングや車高調は「指定部品」なので、本来なら40ミリを超えるリフトアップをしても構造変更の必要はありません。ただしリアのブロックは「指定外部品」になるため、40ミリを超えた場合は要構造変更。ブロック以外の上げ方をしてもほぼ構造変更になるので(※「Q.05」で解説します)、実質的に軽トラで40ミリを超えるリフトアップは構造変更しないとダメということになります。ちなみに車検時、全高は鳥居(ガードフレーム)の両端にあるツノっぽいリングフック部分で計測します。
Q5.ほかにどんな場合、構造変更が必要になりますか?
A. 前の質問にもチラッと出てきていましたが、リアのリーフスプリングやシャックルを交換した場合、車高に関係なく構造変更をしなくてはなりません。同じサスペンションでもコイルスプリングとリーフスプリングでは扱いが違うんですね。ただし「増しリーフ」といって、リーフスプリングを純正に追加(例:3枚→4枚に変更)した場合は構造変更は必要ありません。またリフトアップと直接関係はありませんが、足まわり関係だとオーバーフェンダーを装着して全幅が20ミリ以上大きくなった場合も要構造変更です。
リーフスプリングを交換したら構造変更。シャックルを交換しても構造変更が必要になる。
【但東自動車 〈タントウジドウシャ〉】
古くから軽トラのアゲにこだわってきた有名店で、地元のみならず県外から訪れるファンも多数。リフトアップキットをはじめオリジナル商品も販売しており、それらを組み合わせたコンプリートカー販売も好評だ。カスタムのメリットだけででなく、デメリットまできちんとユーザーに伝えるのがモットー。
住所:兵庫県豊岡市但東町出合51
電話:0796-54-0206
営業時間:9時〜18時
定休日:土曜(不定)、日・祝日
岩出 代表
▷軽トラカスタム[車高の上げ下げQ&A] まとめはこちら
K-CARスペシャル ドレスアップガイド Vol.38 軽トラカスタムガイドより
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]