日産を代表する、キャブオーバー貨物のベストセラー車
ハイエースから遅れること約6年、1973年に誕生したキャラバンは、これまでに複数回モデルチェンジを行うなど、半世紀以上愛されてきた日産を代表するワンボックスだ。
設計が「積む」「運ぶ」を主としたビジネスユース、つまり商用車であるため、一般乗用車的な快適性を求めるのは酷だが、人を「乗せる」ことを目的としたワゴンもありと、“バン=淡泊、素っ気ない”というイメージは代を追うごとに払拭されつつある。とくに現行型では、空調関連からちょっとした収納関連、そして安心・安全を司る先進装備を積極的に搭載するなど、ますます魅力的となっている。
選択肢の幅広さも特徴的で、標準やワイドなどのボディを筆頭に、エンジン、乗員数など、一般乗用車ではありえないほど膨大。はじめてキャラバンを選ぶ方であれば1度は必ず混乱すると断言できるほど細分化されているが、これはライバルにもいえること。
ハイエースに追いつき追い越せと開発された現行型では、荷室空間をクラス最大級の広さとしたほか、荷室開口幅や開口高を広げ積み下ろし作業性をアップ。荷室天井や壁面に荷物固定に便利なナットを複数搭載と、後発の良さを活かした特徴も随所に。用途にあわせたカスタムを楽しむことを想定し、例えば荷室壁面を極力フラットにして棚などを追加しやすく配慮したほか、ベッドキットやトランポなど、利用シーンに特化したコンプリートにもチカラを入れている。
一方、それと同時に、安心・安全面の強化促進も積極的に実施。ワンプッシュ式のエンジンスタートボタン、キー携帯時であれば触るだけで施錠・解錠ができるインテリジェントキー、愛車を真上から眺めながら駐車できる日産といえばのアラウンドビュー、ヒヤリハッとを回避する緊急ブレーキなど、ハイエースよりも先行して先進技術を次々と搭載。“技術の日産”を謳うのも頷ける、高い技術力が惜しみなく注入されている。
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STYLE RV(スタイルRV) Vol.178 ニッサン キャラバン No.2より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]