オフロードスタイルの王道、リフトアップで気にすべきことは?【令和版! 車検の◯と× #010】

アゲ系カスタムの【車検基準】マッチョなオフ系タイヤは普通に履いて大丈夫?

今、モディファイの世界で勢いがあるのがリフトアップ。いわゆる“アゲ”仕様だ。特にSUV車ならば、ごついタイヤとの組み合わせでよりタフに見えるようになる。しかし果たして、車検はOKか? 気になるトコロだ。

Q.アゲ系にピッタリのマッチョなオフタイヤを履きたい!

A.気持ちはわかります。でもプロショップに相談して進めるのが吉!

常時全輪駆動のスバル車とは親和性の高いカスタマイズとも言えるアゲ系。ただ、車高を上げたことでタイヤとボディのクリアランスが大きくなり、純正サイズのタイヤだとスカスカ感が出てきてしまう。そこで大径なオフロードタイヤを履かせて車高とのバランスを取りたくなるところだが、極端に純正サイズよりも大きなタイヤを装着すると、スピードメーターに狂いが生じてしまう。厳密にはメーターが表示する速度よりも実際の速度が高くなってしまうのだ。ただ、純正のスピードメーターは実際の速度よりも高めに表示するようになっており、少しくらいタイヤ径を大きくしても車検に通らないほどの誤差は発生しにくくなっている。ただし径が大きくなりすぎてボディに干渉したり、大きく車体からハミ出すようでは車検NGとなってしまうぞ。

Q.リフトアップで気を付けることはありますか?

A.サイドアンダーミラーが必要になるケースも

車高を大きく上げて余裕のロードクリアランスを実現するリフトアップ。少々の段差であればなにも気にすることなく走破できるようになり、アイポイントも高くなるために運転もしやすくなるといいことづくめだ。しかし、車高が上がったことで直前側方運転視界基準をクリアできなくなった場合は、サイドアンダーミラーなどの補助ミラーが必要となる。また灯火類も高さの上限が設けられているため、どこまでも車高を上げることができるというわけでない点も注意したい。

Q.そもそもリフトアップはOK? 

A.ローダウンとは別の注意点があるが、NGではない!

ローダウンとは逆に車高を上げることになるリフトアップだが、車高が変化するという事実はローダウンと変わらない。そのため、ローダウンと同じく4センチ以内の車高の変化であれば、公認車検を取得することなく車検をパスすることができるのだ。ただし、この数値はあくまで全高の数値なので、例えば3.5センチリフトアップとなるサスペンションにタイヤの直径が2センチアップするタイヤを組み合わせた場合は両方合わせて4センチ以上のリフトアップとなるため、記載変更または構造変更が必要となってしまう可能性がある。

Q.アゲアイテムの規制はある?

A.アイテム以上に関連して発生するコトにも注意!

アゲに関するアイテムで基本的に装着NGとなるようなものはないと考えていいだろう。前述したように4センチ以上の車高アップがされるようなアゲパーツを装着した際は公認車検を取得すればいいだけだし、直前側方運転視界基準をクリアできなければ補助ミラーかカメラで視認できるようにすればOKだ。ただし、車高を上げたことによってアライメントに狂いが生じたり、光軸がズレたりといった調整は必要になるので、そこは忘れずに。

Q.どれくらいまでアゲていいの?

A.3.8mまでOKだが灯火類の高さの規定にも注意が必要

リフトアップは4センチまでは公認車検も不要ということは前述した通りだが、どこまでも車高を上げていいというわけではなく、その上限は全高3.8メートルとなる。3.8メートルというと一般的な2階のベランダほどの高さとなるからそこまで車高を上げる人はほとんどいないと思うが、これを超えると通常の登録はできなくなってしまう。また、一部の年式の車種では事故があったときに相手車両が車体の下に潜り込まないように、突入防止装置の装着が義務付けられる場合もある。そしてリフトアップしたことでブレーキホースの延長なども必要となるが、ホースが車体に干渉したり固定されていなかったりする場合も車検時に指摘される可能性が高い。

※本特集で掲載している車検の情報は、陸運支局ごとの判断などにより見解が異なる場合がありますのでご注意ください。また、 整備不良や不正改造の取り締まりと見解が異なるケースもあるので、ご自身の責任にてカスタマイズを行ってください。

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SUBARU STYLE(スバルスタイル) Vol.9より

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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