雪道走行の基本は「スローインファーストアウト」基本を守れば安全に曲がるのだ

2WDと4WDで雪道での走りはどう変わるの? 春スキー&スノーボードへ行くならぜひチェックを!【 #ジムニーで行く雪山走行 Vol.3】

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雪道で走行するなら4WDがやっぱり安心。2WDと4WD、雪道で走ったらどう異なるか? 比較検証してみました。

パートタイム4WDの特性、シフトタイミングが要注意

ジムニーは、パートタイム4WDというシステムを採用する。このシステムは、2WDと4WDを任意で切り替え可能となっている。今回、九州の大分にあるナンブオートの川端専務に協力してもらい、2WDと4WDの挙動を説明してもらう。

九州?と思う読者も多いだろう。一般的な印象から、九州は南国イメージがあると思うが、実はかなり雪が降る。熊本にはスキー場もあるのだ。筆者とは、プライベートでスノーボードをする仲間で、今回わざわざ長野まで来てくれた。雪道での走りも経験豊富で、達人と言って良いだろうう。

まずは2WD走行。言葉で言うと特性はアンダーオーバー。ステアリングを切っても基本的に曲がらない。更に、アクセルを踏み続けると途中からリヤが滑り、オーバーステア状態となりスピンする。停車した状況からの再発進も困難で、思うように加速もしない。雪道で2WD走行するのは、かなりのテクニックを要する。

というか、4WDのモードがあるジムニーで、あからさまに路面が雪道で、2WDで走る意味はない。広い場所で遊ぶのであればアリだが、雪山でのアクティビティが目的で2WD走行は必要ない。今回は、危険性を見せるために川端専務に行ってもらったのだ。

あえて言うなら、2WDと4WDの切り替えるタイミングを誤ると、今回のような挙動を起こすと言うことを記憶しておいてほしい。逆に、2WDへ戻すタイミングが遅すぎると、パートタイム4WD特有のタイトコーナーブレーキング現象と言うステアリングを切るだけでブレーキがかかり、曲がらなくなる現象も発生する。基本的に飛ばさないことが安心の近道なのだ。

2WDは一瞬でスピンする立て直しは容易ではない

4WDの最発進は強力だ! あっという間にぐいぐい進む

次に4WD走行。まず気をつけないといけないのは、2WDからの切り替えタイミング。あからさまに雪のないグリップの高いアスファルトでシフトすると、2WDの解説でも話したタイトコーナーブレーキング現象を起こす。

ステアリングを切り込んだ際に、ブレーキがかかる現象だ。駆動系負担も大きく、タイヤをこじる為、あまり車に良くない。だからと言ってあまり我慢して雪だらけを2WDで走るのもお勧めしない。タイヤが踏む部分に雪がある路面状況になったら、早めにシフトしよう。

全面雪の状況でも、4WDにシフトすることにより、停車状態からも容易に再発進することが可能となる。速度のノリも良く、普通に走れると錯覚しがちだが、気を付けなくてはいけないのがブレーキングだ。

2WDの場合、そもそも速度を乗せられない。しかし、4WDの場合は速度がテクニック関係なしで出てしまう。しかし、止まろうとした場合には、路面μが低いため、即座にABSが働いてしまう。普段の一般道路と比較すると制動距離が倍以上に伸びてしまう。

と言うことは、前走車との車間距離をかなり長くとっておかないといけないと言うこと。更に、4WD車両は基本的にアンダーステア。カウンターを当てるようなオーバーステアにはならない。というか、カウンターを当てると、カウンターを当てた方向に走っていってしまう。

ゆっくり走るには良いのだが、コーナー手前でしっかりと減速しないと平気で車線を跨いでしまう。曲がらずにアンダーステアで外にはらんで行きそうになり、慌ててブレーキをかけると、更にアウトに飛んでいく。タックインと言うテクニックで、インに切り込んでいく事はできるが、このテクニックはモータースポーツで使用するテクニックで、一般的ではない。

基本的に、スローインファーストアウトを心がけ、コーナーへの侵入速度を抑えることが安全の秘訣だ。冬の時期になると、雪道走行でのスポーツ走行を行うイベントがある。そんな場所で走る走り方とスキー場にいく時の走り方は全く違う。

走り系イベントの場合対向車は来ない。スキー場などにいく場合は、コースアウトイコール事故となる。雪道走行の最も必要な要素は、理性と平常心とも言える。無事に辿り着いた先に目的の楽しみがあると言うのを忘れないように走ろう。

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[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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