給電できるクルマとできないクルマがある? EVカーで気になること、桃田先生に聞いてみました!

「充電認証カードっていったい何?」 #そこが知りたいEVのこと PART3 BEVの気になるアレコレ、聞いてみました#002

普通のエンジン車に比べればやはり割高感が漂うBEV。国や自治体の補助や、税金は?電気代はガソリン代より安いの?自宅に充電設備を作る費用は?などなど、気になる疑問を解決しましょう。

Q1.たまにしか乗らないひとは定額プランはお得?

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A.諸費用が込々の定額プランのサブスクリプションモデル。いわゆるサブスクが自動車業界でもだいぶ浸透してきました。代表例は有名俳優を起用したテレビCMでもお馴染みのトヨタKINTO(キント)でしょう。本稿執筆時点では正式発表されていまんせんが、2022年央に発売予定のbZ4Xについても「日本では当面、個人向けはKINTOのみで対応し、売り切り型は追って検討する」(トヨタ広報部)ということです。やはりBEVのリセールバリュー(下取り価格)の見通しが立てにくい中、そうした経営判断なのだと思います。また、ボルボはC40 Rechargeで月額11万円のサブスクプログラム100名限定で募集したところ、その約6倍の応募があったといいます。BEVサブスクに今後も注目です。

Q2.充電設備の費用はいくらぐらい?

A.BEVの充電器には大きくふたとおりあります。ひとつは、ディーラー、高速道路のSA/PA、コンビニ、または道の駅などでよく見かける急速充電器です。最新型の高出力モデルは500万円ほどと高額で、また設置のための土台作りや電気工事費用込みで「1000万円程度」(充電器メーカー)と言います。一方、一般住宅や会社などに設置されることが多い普通充電器は、出力が3kW、6kW、8kWなど種類があります。そのため価格も違いがあり、数十万円から100万円を超える商品までラインアップされています。設置費用については「現在の電気設備の状況によってまちまち」(同)とのことです。また、最近は新築住宅に普通充電設備の設定する住宅メーカーが増えているようです。

Q3.ハイブリッド車やクリーンディーゼルの優遇措置。e-Powerは?

A.ハイブリッド車はBEVと同様、自動車税グリーン化特例が適用されます。初回の新規登録と翌年度1年間で、概ね75%低減です。対象は、2030年度燃費基準90%達成かつ2020年燃費基準達成の場合。もうひとつ、2030年度燃費基準70%達成かつ2020年度燃費基準達成では、概ね50%軽減となります。環境性能割では、ハイブリッド車は2030年度燃費基準への達成比率によって85%では非課税となります。日産のe-Powerではノートの場合、現時点で新車購入時に環境性能割と自動車重量税はかかりません。クリーンディーゼルは2022年4月1日以降の取得で自動車税、また燃費基準達成数値によって環境性能割、さらに、同年5月1日以降で燃費基準達成によって課税される場合があります。

Q4.充電認証カードの種類と料金は?

A.充電料金支払いで最もポピュラーなのが、自動車メーカーや自動車インポーターが発給している充電サービス用のカードです。例えば、日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3(ZESP3)では4つのコース設定があります。プレミアム10は、急速充電10回と普通充電無制限で月額4400円。さらに3年契約で月額2750円に大幅割引されます。また、急速充電器と普通充電器を合わせて全国に約3万基あり、このうち約2万1000基が東京電力や自動車メーカー各社で運用するeモビリティパワー(eMP)が運用しています。eMPの充電網ではトヨタ、日産、ホンダなど日系メーカー、また輸入車インポーターの充電カードも利用できます。電車のSuicaやPASMOのような関係だといえます。

Q5.給電できるクルマとできないクルマがある

A.給電とは充電とは真逆の行為のことです。つまり、BEV、PHEV、FCVを蓄電池や発電器に見立てて、クルマから車外に対して電気を送ることを指します。クルマから電気を取り出すといえば、シガーライターのソケットからの直流が以前から使われてきました。最近ではUSBや、欧州車ではUSBタイプCのポートが標準化されています。また、トヨタを筆頭に出力が高い1500W/100V用のソケットの標準装備が広がってきました。1500Wだと電気ポット(一部を除く)、トースター、小型冷蔵庫など様々な家電をクルマにつないで使えます。また急速充電口から外部給電する機器もあります。こうした装備は日本車が主体で韓国ヒョンデも対応しますが、現時点で欧州車は対応していません。

Q6.電動の種類で補助金の違いあり

A.令和3年度補正予算のクリーンエネルギー自動車補助金で、BEV以外に補助金の設定があります。プラグインハイブリッド車(PHEV)では上限45万円、燃料電池車(FCV)では上限230万円、そして超小型モビリティでは個人向けでは定額25万円です。また、1500W/100Vの車載コンセントによる給電機能、または外部給電器を使った給電機能がある場合、PHEVで上限55万円、FCVで上限255万円もの補助金が設定されています。このようにBEV、PHEV、FCVで補助金額の違いは、それぞれの普及台数に直結しています。電動車を普及促進のため、電動車それぞれに対する補助金をバランスよく設定しているといえるでしょう。改めてですが、これら補助金は予算枠を越えた時点で申請が締め切られます。

Q7.集合住宅の人はどうする?

A.いま住んでいるのがマンションで、そこには充電器がないからBEV購入を諦めてしまう。そんなふうに考えるのが一般的ではないでしょうか。確かに日本の住宅事情を見ると、全体の約4割が共同住宅という状況です。そこに新たに充電器を設置しようと思えば、管理組合での話し合いが必要になるのは当然。これからBEV化が進むことで理解を示す管理組合もあれば、一部の住民用サービスで管理費を使うことに抵抗感を示す場合もあるでしょう。その上で、興味深いのが都内でのテスラオーナーの話。その約4割が充電器が設置されていない共同住宅に暮らしています。つまり、テスラ用の屋外充電設備や、他の充電施設を効率的に使っているというのが実状です。

著者PROFILE●桃田健史
1962年8月、東京生まれ。日米を拠点に、世界自動車産業をメインに取材執筆活動を行う。インディカー、NASCARなどレーシングドライバーとしての経歴を活かし、レース番組の解説及び海外モーターショーなどのテレビ解説も務める。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

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[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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