巨大EV市場に向けた展開を強化

帝人:中国における自動車向けコンポジットの生産拡大

商業生産を開始した常州の工場
帝人グループで自動車向け複合成形材料事業を展開するテイジン・オートモーティブ・テクノロジーズ(TAT)は、中国第2工場として常州市に新設した自動車向けコンポジット製品の生産拠点において、このたび商業生産を開始した。また、これに続き、中国第3工場を瀋陽市に新設することとしている。

TATは、中国において2015年から自動車向けにコンポジット製の部品とその中間材料であるGF-SMC(※)を製造しており、電気自動車(EV)向けのバッテリーカバーや周辺部品、外板部品、構造部材などを中国市場へ供給している。このたび商業生産を開始した常州工場、ならびに新設する瀋陽工場の周辺には、欧米や中国の有力自動車メーカーが生産拠点を構えていることから、TATは、中国国内で急速に需要が拡大しているEV向けの部品をはじめとする、環境配慮型自動車に不可欠な軽量、安全で、エネルギー効率や耐久性に優れるコンポジット製部品の供給体制を格段に強化することができる。

(※) GF-SMT: Glass Fiber Sheet Molding Compound の略。熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させ、シート状にした成形材料。

TATは、このたびの中国第2工場の商業生産開始および第3工場の新設を契機として、自動車向けコンポジット市場における世界有数のリーディングカンパニーとしての揺るぎない地位を確立していく。また、バリューチェーン全体のライフサイクルにおける、CO₂排出量削減に向けた技術開発や様々な取り組みにも注力し、2030年近傍には、自動車向け複合成形材料事業の売上を2,000百万米ドル規模へと拡大していく。

中国 第2・第3工場の概要

■常州市の中国第2工場
所在地:中国 江蘇省常州市 武進国際ハイテク工業区内
事業内容:自動車向けコンポジット製部品の製造
工場敷地面積:約3.9万平方メートル
商業生産の開始時期:2022年1月

■瀋陽市の中国第3工場

所在地:中国 遼寧省瀋陽市 先端装備製造産業団地内
事業内容:自動車向けコンポジット製部品の製造
工場敷地面積:約1.3万平方メートル
商業生産の開始時期:2023年夏(予定)

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