パワー半導体は、産業機器や車、家電などの電力制御に幅広く使われている。現在、社会全体でのカーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギーや電動車の電力制御時の電力ロスを低減できる次世代パワー半導体の普及拡大が期待されている。その1つであるGaNパワー半導体の実用化に向け、豊田合成では青色LEDやUV-C(深紫外線)LEDで培ったGaNに関する知見を活用し、産官学連携で開発が進められている。
本プロジェクトでは、豊田合成と大阪大学、パナソニックが開発する、高品質・大口径かつ電気抵抗の低い※GaN基板を活用し、「大電力と高速動作を両立」できる縦型GaNパワー半導体素子が開発される。名古屋大学では、これらの素子を用いた高効率GaNインバータを開発、BEVに搭載して実機実証し、産官学でCO2削減効果の検証を進めていく。
※ 電気が流れやすい基板を用いることで、パワー半導体としての電力ロスを低減できる。