豊田合成:GaNパワー半導体開発が環境省のCO₂削減プロジェクトに採択

豊田合成は、窒化ガリウム(GaN)を用いた次世代パワー半導体(GaNパワー半導体)の開発において、このたび環境省の「令和4年度革新的な省CO2実現のための部材(GaN)や素材(CNF)の社会実装・普及展開加速化事業」に、パナソニック株式会社、名古屋大学および大阪大学と共同で選ばれた。

パワー半導体は、産業機器や車、家電などの電力制御に幅広く使われている。現在、社会全体でのカーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギーや電動車の電力制御時の電力ロスを低減できる次世代パワー半導体の普及拡大が期待されている。その1つであるGaNパワー半導体の実用化に向け、豊田合成では青色LEDやUV-C(深紫外線)LEDで培ったGaNに関する知見を活用し、産官学連携で開発が進められている。

本プロジェクトでは、豊田合成と大阪大学、パナソニックが開発する、高品質・大口径かつ電気抵抗の低いGaN基板を活用し、「大電力と高速動作を両立」できる縦型GaNパワー半導体素子が開発される。名古屋大学では、これらの素子を用いた高効率GaNインバータを開発、BEVに搭載して実機実証し、産官学でCO2削減効果の検証を進めていく。

※ 電気が流れやすい基板を用いることで、パワー半導体としての電力ロスを低減できる。

<環境省のプロジェクトにおけるGaNパワー半導体の開発プロセス>
<活用領域のイメージ>

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