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両社が開発したAI は、矢崎総業のグループ会社である矢崎エナジーシステムのデジタルタコグラフ（以下「デジタコ」）が記録した商用車両等の運転挙動に関するさまざまなデータ、三井住友海上が蓄積してきた自動車事故や運転リスクに関する豊富なデータ、天候等の外部データ等、膨大なデータを学習したモデルを使用しており、従来製品に比べて精度の高い事故発生予測が可能である。なお、AI分析アルゴリズムの開発およびデータの分析・解析は、アクセンチュアの支援のもと行われている。
また、『TRUE SAFE』を用いた実証実験において、利用前後の一運行当たりの事故率を比較すると約 25％の低減効果が得られていることが確認された。
サービス概要
・サービス名称：『TRUE SAFE』
・販売開始日：2022年5月25日
・対象機器：矢崎エナジーシステム製デジタコ
（DTG3α、DTG4、DTG5、DTG7、YAZAC-eye3T）
・提供内容：
① ドライバーの運行ごとの運転を診断し、定量化したリスクスコアや具体的なリスク要因が確認できる管理・指導画面を備えた TRUE SAFE アプリケーション
② 運行管理者等へのデータに基づく安全指導のアドバイスやリスク改善状況をモニタリングするコンサルティングサービス（オプション）
開発背景
矢崎総業は、デジタコ等を活用し、「急ブレーキ」「急加速」「急ハンドル」「スピード超過」という主要リスク指標をベースとした運転診断サービスを運送事業者向けに提供してきた。矢崎総業が過去の実際の事故データと 300 万運行以上の車両運行データを AI で解析した結果、従来の4大リスク指標・行動では事故リスクを捉えきれていない運転シーンがあることが判明したため、三井住友海上と共同研究を行い、より科学的かつ詳細な指標に基づく高度な安全運転診断サービスの開発に着手した。
共同研究において、前述の主要リスク指標よりもさらに深く科学的に事故と相関のある数百パターンの特徴量から事故リスク要因を究明(※2）することができ、精度の高い事故発生リスク予測モデルを構築した。
※2（例）構内でのバック走行時の加減速等、特定のシーンでの運転操作が事故リスクに大きく影響を及ぼすことが判明した。
実証実験による効果検証
矢崎総業のデジタコを導入するフジトランスポート（以下「フジトランスポート」）と、2021年9月から2022年2月の期間に11拠点で、本サービス『TRUE SAFEクローズドリリース版』による事故低減効果の検証を実施した。サービス利用前の前年同期間と比べ、検証期間は運行件数が増加しているにも関わらず事故件数は減少しており、一運行あたりの事故率に換算すると約25％の事故低減効果が確認された(※3)。
※3 事故低減効果は本実証内の数値。
今後の展開
矢崎総業と三井住友海上は、当該サービスの機能高度化や分析精度向上に加え、車内外の動画を活用したAIでの危険検知・予測による安全運転指導サービスの開発を進め、さらなる事故削減を目指す。また、MS＆ADインシュアランスグループのあいおいニッセイ同和損害保険も加わり、自動車事故や運転リスクに関するデータを充実させ、新サービスの創出を検討していく。