ジェイテクトが電動化に貢献する超幅狭軸受「JTEKT ウルトラコンパクト・ベアリング」を新開発。eAxleのさらなる小型化・軽量化に貢献。

ジェイテクトは、今後のBEV(電気自動車)の市場拡大を見据え、eAxleに搭載される軸受を幅狭化した超幅狭軸受「JTEKT Ultra Compact Bearing TM (以下「JUCB」)」を新たに開発したことを発表した。

JUCBの開発経緯

自動車の電動化が進む中、インバータ、モーター、デフを含む減速機を一体化させたeAxleと呼ばれる電動駆動システムの開発・採用が急激に拡大しており、電費向上や航続距離延長など、より良いBEV実現のためには、その駆動源の心臓部であるeAxleの小型化が求められている。

ジェイテクトは、2016年に主にHEV(ハイブリット車)やBEVのモーターに使用される高剛性組合せ樹脂保持器を開発した。今回開発されたJUCBは、高剛性組合せ樹脂保持器をベースに保持器側面中心に穴を設け、保持器の幅を極限まで狭くする事で軸受の幅狭化を実現。また、独自の金型設計および成形手法を確立し、幅狭化をする中でも、保持器の強度確保に成功した。

開発品の特長

強度、耐久性といった軸受性能は従来品そのままに、軸受幅を極限まで狭める事に成功した。汎用サイズ(6207)への適用で、軸方向寸法5mm(約30%)の短縮、重量は73g(約26%)の低減を達成。これにより、同軸タイプや3軸タイプeAxleに搭載することでユニット長の短縮化を可能とする。

売上目標:約70億円/年

同軸タイプ(左)および3軸タイプ(右)eAxleの断面図とJUCBによるユニット長短縮化

ジェイテクトグループのシナジーでeAxleの小型化・軽量化に貢献

今後は、JUCBのみならず、発表済みのJTEKT Ultra Compact Diff.(JUCD)や現在開発中のeAxle向け超幅短オイルシールなど、ジェイテクトグループが有する技術でシナジーを生み出し、電動化貢献技術を幅広く提案する。

BEV電動駆動システムで特に需要拡大が予測される出力150Kwの同軸タイプeAxleに、上述3製品を適用した場合、eAxleのユニット長を約50mm短縮、重量を約5kg低減すると算出され、eAxleの幅寸法短縮をはじめ、前後寸法や高さ寸法の短縮、それらに伴う小型化・軽量化への貢献が期待されている。

引き続きジェイテクトはグループを挙げて、eAxleの一層の小型化・軽量化に寄与し、バッテリー搭載量拡大によるBEV航続距離向上をはじめ、eAxle搭載位置の自由度拡大、車室や荷室空間の確保、車両シルエットの自由度拡大、電費向上など、BEVにおける機能充実の追求に貢献する。

ジェイテクトグループが有する電動化貢献技術で同軸タイプeAxleの小型化・軽量化に貢献

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