世界各国からカーボンニュートラル実現に向けた表明が相次ぎ、自動車メーカーが電動車などの環境対応車の投入を加速しているなか、パワートレインにおける開発効率向上や部品点数削減によるコスト低減、軽量・コンパクト・高効率化などに寄与する電動アクスルの需要拡大が見込まれている。日立Astemoは自社開発した電動アクスルを今後、グローバルで様々な自動車メーカーに拡販することに加え、モーター、インバーターを自動車メーカーの内製やギアメーカーの組み立てとなる電動アクスル用に供給するといった両方のビジネスモデルにより、急拡大している電動アクスルの需要に対応していく。
今後、日立Astemoは、2021年の経営統合によるシナジーを最大限に生かし、統合した拠点や技術、リソースを活用するとともに、グローバル生産拠点の更なる強化を図ることで、電動化事業におけるグローバルリーディングカンパニーとしての地位をさらに強化させていく。具体的には、電動化事業に対し2025年度までに研究開発費を含め3,000億円の投資を行い、2025年度における電動化事業の売上収益を4,000億円超、さらに2030年度にはその2倍以上に拡大することを目指していく。
日立Astemoは、日立製作所の研究開発グループとも連携し、インバーターでは独自冷却方式のパワーモジュールや小型・薄型で放熱性の高い絶縁実装技術などにより、業界最高水準の出力密度を誇っている。また、日立の創業製品でもあるモーターでは、これまで培ってきた材料開発技術や解析技術、静音化技術、生産技術をマグネット、電磁鋼板、巻線で構成される磁気回路などに生かすことで、トルク密度において競争優位性を確立し。さらに日立Astemoは、モーター、ギアの最適制御ソフトウェアを含むシステムインテグレーションに強みを発揮する。一方、ジヤトコは変速機の開発・量産で蓄積してきたノウハウを活用した小型で静粛性が高いギアボックスに日立Astemoが供給するモーター、インバーターを組み合わせ、トータルパッケージとして業界最高水準の効率性とともに低振動・低騒音でコスト競争力に優れた電動アクスルを日産に提供する。