セルビア工場は、ERP、MESをはじめとした最新技術の導入によって、生産工程を見える化し、高い生産性を有する設備を高精度に連携させることで、生産管理体制を高次に最適化していくスマートファクトリーである。TOYOタイヤは2019年、ドイツ連邦共和国内にR&Dセンターを新設し、最先端原材料の探索や調査、車両・市場の最新情報の収集、そして構造・形状・パターンといった各設計過程における高性能技術開発の研鑽などを続けている。これらの最先端技術を生かし、同工場ではEV化をはじめ市場インサイトに応える高性能で競争力のあるタイヤが生産される。
また、工場棟に隣接して直線距離720m、周回1,690mとなるテストコースが敷設されており、ここで実車装着での走行テストが行なわれ、欧州地域で細かく定められている法規制認証に対応した評価をスピーディーに実施することで、魅力ある製品のよりタイムリーな市場展開が実現される。なお、敷地内には、同国内最大規模となる太陽光発電システム(発電電力容量8.4MW)を設置、年間10.15GWhの発電電力をまかない、同7,100トンのCO2の削減にも寄与している。
セルビア工場は、2023年下期には年産約500万本(乗用車用タイヤ換算)の生産体制を確立させ、欧州地域での地産地消を進める一方、主力市場である北米をも主要ターゲットとしてカバーして供給する。
建設地 | セルビア共和国 ヴォイヴォディナ自治州 インジヤ市 |
敷地面積 | 約60万m² |
生産開始 | 2022年7月 |
生産能力 | 年産500万本(乗用車用タイヤ換算) |
従業員数 | 約580名 |
投資額 | 約488億円 |
生産品目 | 乗用車用、SUV用、ライトトラック用ラジアルタイヤ |