警察庁の発表（※1）によると、近年、自転車乗用中の交通事故による死者/重傷者数は減少傾向にあるものの、それでも令和2年においては、対自動車との事故に起因するものが全体の約8割を占めており、そのうち交差点内での事故が46%となっている。また、5社共同で実施された自転車ユーザー向け調査（※2）では、約6割の人が、交差点において死角から接近する自動車の存在に気付かず、出会い頭事故に遭いそうになったことがあると回答した。
この様な状況を踏まえて、今回、ITS向けの専用周波数である760MHz帯を使用し、見通しの悪い交差点における自転車と自動車との車車間通信による現状把握および意思疎通による交通事故回避の可能性が検証される。今後は、継続して非公道および公道での実証実験の実施により、各種データが収集され、2025年以降の社会実装が目指される。
※1：令和2年における交通事故発生状況について（令和3年2月18日 警察庁交通局）
※2：インターネット調査。2022年11月2日～11月9日実施。n=1381
第1回目の実証実験概要
期間：2023年3月1日～3月3日
場所：京セラ 横浜中山事業所内テストコース
検証内容：
- 見通しの悪い交差点に向かい、2方向から電動アシスト自転車および自動車が走行中、自転車／自動車の双方のITS対応無線機に、自動車／自転車が接近している ことを通知
- 自転車のライダー、自動車の運転者がともに減速
- 自動車停車後、自転車から自動車へITS対応無線機でお礼の連絡をし、交差点を横断
| 京セラ | 自転車搭載用ITS無線実験機の提供 |
| トヨタ自動車 | 自動車側の車車間通信機能の提供 |
| トヨタ通商 | 実証実験の運営 |
| PSNRD | システム要件・仕様策定 |
| パナソニック サイクルテック | ITS対応自転車の機能検証 |