ZIPC GARDEN リリースの背景
自動車業界各社において自動運転領域の技術開発が進んでいるが、車両開発プロセスにおいて自動運転システムの安全性を確実かつ効率的に保証する手法が依然として大きな課題となっている。今後、自動運転車両開発・運用におけるソフトウェアの比重が高まっていく中、運転シーンに関するデータやナレッジを蓄積・分析し網羅したデジタルツイン空間を活用しバーチャルシミュレーションできるようにすることで、量産プロセス早期段階で安全性を検証できるイノベーション、テストやキャリブレーションを省力化するイノベーション、市販後の運用モニタリング結果のフィードバックによって設計・実装の改善をするイノベーションが求められている。
NTTデータグループの自動車技術のR&DセンターであるARCは、自動運転の実現に必要な車両統合制御ソフトウェアの技術開発を推進しているJ-QuADとの共同研究を経ながら、自動運転システムのバーチャルシミュレーション環境における、シナリオベース開発プロセスを用いた有効かつ効率的な安全性検証を実現するテクノロジーを確立、これをZIPC GARDENシリーズとしてソフトウェアサービス化した。
ZIPC GARDEN Automationの概要・特色
ZIPC GARDEN Automationは、ARCが研究開発した独自アルゴリズムおよびアーキテクチャを以て運転シーンに関するデータやナレッジを有効かつ効率的に分析することにより、自動運転システムのバーチャルシミュレーションで実行すべき重要シナリオを網羅的に自動生成するクラウド型検証基盤ソフトウェア。基本機能は年額課金のWebサービスとして提供するとともに、自動車メーカー・サプライヤ各社の開発環境の状況に応じたエンジニアリングサービスをあわせて提供することによって、各社において最適な開発・運用環境構築（バーチャルプライベートクラウド）の支援も可能。その結果、バーチャルシミュレーション主体による自動運転システムの有効な安全性検証が実現し、次世代車両量産を画期的に効率化できる。
今後はZIPC GARDENのサービスラインアップを拡充する。シナリオ自動生成機能を備えるZIPC GARDEN Automationを第一弾として、自動運転車両開発の自動化・仮想化をより推進するためにバーチャルシミュレーション実行機能を備えるZIPC GARDEN Simulatorを2023年に、さらに量産市販後の車両の稼働状況をモニタリング・学習して車両開発プロセスにフィードバックすることで製品のブラッシュアップにつなげるZIPC GARDEN DevOpsを2024年にそれぞれリリースする予定。