Honda・ヤマト運輸が新型軽商用EVの集配業務における実用性検証を2023年6月から開始

実用性の検証で使用されるテスト用車両
本田技研工業(以下、ホンダ)とヤマト運輸は、Hondaが2024年春に発売を予定している新型軽商用EV(電気自動車※)の集配業務における実用性の検証を2023年6月から8月まで実施することを発表した。
Hondaの軽バン「N-VAN(エヌバン)」をベースとしたテスト用車両が使用される。

実証の背景

ホンダは、2050年にホンダが関わる全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現を目指している。日本市場においては、2024年春に発売予定の新型軽商用EVを含め、生活に身近な軽自動車の領域からEVの普及に向けた取り組みを進めている。

ヤマトグループは、「2050年温室効果ガス自社排出量実質ゼロ」および「2030年温室効果ガス排出量48%削減(2020年度比)」の実現に向け、その主要施策の一つとして、2030年までにEV 20,000台の導入を目標に掲げ、小型トラックを中心にEVの導入を進めるなど、サステナブルな物流の実現に向けた各取り組みを進めている。

今回、両社は、ホンダが2024年春に発売を予定している新型軽商用EVを活用し、環境負荷軽減効果の検証に加え、集配業務における実用性や車両性能の検証を実施する。さらに、充電オペレーションを含むエネルギーマネジメントに関する各種基礎データを取得することで、より実用性の高いEVの運用に活用する。

また、新型軽商用EVは、軽商用バンである「N-VAN」をベースとしており、大容量かつ、助手席からリアまでフラットとなる荷室空間を備えている。これを生かし、本検証ではヤマト運輸が導入を進めている小型モバイル冷凍機「D-mobico」を荷室に2台搭載し、冷蔵・冷凍品の配送にも対応する。「D-mobico」は、モバイルバッテリーで駆動し、ドライアイスを使用しないため、より環境に配慮した配送を実現する。

検証内容

  1. 環境負荷軽減効果の検証
  2. 集配業務における実用性や車両性能の検証
    – 車両の使い勝手や、航続可能距離など、EVならではの実用性の検証
    – ドアの開け閉めや、乗り降りが多い集配業務を通じた車両の耐久性の検証
    – さまざまな特徴を持つエリアでの車両性能の検証
    ・配送荷物が多く乗り降りの機会が多い東京23区エリア
    ・1度の配送における走行距離が比較的長い栃木エリア
    ・坂が多くアップダウンのある兵庫エリア
  3. EV運用における各種基礎データの取得・検証
    – 日々の集配業務における車速、アクセルやブレーキなどドライバーの運転操作や、空調による電力消費量、走行後の充電量や充電時間帯などの各種基礎データの取得と、複数台のEV運用を想定した充電オペレーションとエネルギーマネジメントの検証

また、今回の実用性の検証のほかに、冬季の集配業務を想定した外気温が氷点下になる寒冷地での充電・走行テストなど、さまざまな環境で検証が実施されている。こうした取り組みを通じて、商用EVとしてより実用性の高い軽商用EVの開発・普及が目指される。

雪上での走行テストの様子

検証の概要

期間:
 2023年6月1日(木)~8月31日(木)(3カ月間)

車両台数:
 3台

実施エリア:
 ヤマト運輸 中野営業所(東京都杉並区)
 ヤマト運輸 宇都宮清原営業所(栃木県宇都宮市)
 ヤマト運輸 神戸須磨営業所(兵庫県神戸市)

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