BMWグループ、米国サウスカロライナ州にてバッテリー組立新工場の起工式を実施

BMWグループは米国サウスカロライナ州ウッドラフに建設する高電圧バッテリー組立工場の起工式を6月27日に行ない、米国での電気自動車生産に向けて大きな一歩を踏み出した。このBMWグループ・ウッドラフ工場は、スパータンバーグにある近隣のBMWマニュファクチャリングで完全電気自動車に供給する第6世代バッテリーを生産する。

第6世代eDriveのためのバッテリーセルを生産

ウッドラフ工場では300人以上の雇用が創出される予定で、さらに雇用を拡大する機会も提供される。BMWグループは、完全電気自動車の生産に向けたスパータンバーグ工場の準備に10億ドル(1,440億円)、高電圧バッテリー組立工場の新設に7億ドル(1,000億円)を含む、米国事業への新たな17億ドル(2440億円)の投資を発表した。ウッドラフ工場の施設は、技術棟や食堂、消防署、エネルギーセンターなどの支援棟の建設を含む、40万m²の広さを誇る。

BMWグループの “local for local (ローカル・フォア・ローカル)”アプローチの一環として、BMWは電気自動車用のバッテリーセルを、サウスカロライナ州フローレンスに30GWhのバッテリーセル工場を新設するAESCから購入する。この工場では、第6世代のBMW eDriveテクノロジー用に特別に設計された、新開発の丸型リチウムイオン電池セルが生産されている。この新しいバッテリー・フォーマットにより、エネルギー密度が20%以上向上し、充電速度と航続距離が最大30%改善される。

BMWグループは、サプライチェーンを始めとして、生産に必要な二酸化炭素排出量と資源消費量を可能な限り低く抑えることに特に注力している。セルメーカーは、バッテリーセルの生産において、二次材料、すなわち新たに採掘されるのではなく、すでに循環している原材料を一定割合含むコバルト、リチウム、ニッケルを使用する。バッテリーセルの生産に再生可能エネルギーによるグリーン電力のみを使用するという公約と組み合わせることで、BMWグループはバッテリーセル生産における二酸化炭素排出量を最大60%削減することができる。

BMWグループの米国市場戦略

米国におけるBMWグループの拠点は、販売およびマーケティング業務に加え、カリフォルニア州の先進デザインスタジオ、テクノロジー研究開発センター、ベンチャー・キャピタル・ファンド、BMWグループ・ファイナンシャルサービスなどを含む、12州30カ所近くの拠点で構成されている。BMWグループのディーラー・ネットワークは、BMW、MINI、ロールス・ロイス、BMW Motorradの全国約650の独立系ディーラーで構成されている。BMWグループの米国における事業は、直接・間接を合わせて12万人以上の雇用を創出・支援し、米国経済に433億ドル(6兆550億円)の貢献をしている。

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