旭化成、リチウムイオン電池用セパレータの塗工能力を大幅に増強。電気自動車約170万台相当の供給能力を構築

旭化成は、リチウムイオン電池(LIB)用セパレータ※1「ハイポア」の米国、日本、韓国における塗工能力の増強を決定したことを発表した。旭化成グループは、LIB用湿式セパレータ「ハイポア」としてポリオレフィン微多孔膜(基材膜)と基材膜の上にセラミック等を塗工した膜(塗工膜)の2種類の製品を供給しており、急速に成長しているLIB用セパレータ市場の旺盛な需要に対応すべく、積極的な製造能力拡大を行なっている。

今回、塗工膜の生産体制の拡充に向けた設備投資を実施することにより、当社グループの塗工能力は約12億m2/年となり、電気自動車約170万台に相当する供給能力を備えることになる。これにより、高機能かつ長寿命な車載用途向けの湿式セパレータを供給し、北米、日本、韓国等各市場におけるLIBサプライチェーンの構築に寄与することが可能になる。

■能力増強の概要

(1)設備投資額約400億円※2 ※3
(2)立地※4米国ノースカロライナ州シャーロット、宮崎県日向市、韓国平澤(ピョンテク)市
(3)塗工能力約7億m2/年
(4)稼働時期2026年度上期より順次商業運転開始

【注釈】

※1LIBの正極・負極間に位置する多孔質膜で、正極・負極間でリチウムイオンを透過させる機能を有するとともに、正極と負極の接触を遮断し、ショートを防止する部材。

※2一部新設建屋および付随する工程の能力増強投資の金額を含む。

※3この内、日本における投資については経済産業省の「蓄電池の安定供給の確保計画」の認定取得済み。

※4いずれも既存工場敷地内。米国はセルガード工場敷地内。

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