メルセデス・ベンツ、歩行者緊急ブレーキシステム搭載車が10年間で1000万台を突破

メルセデス・ベンツが2012年から販売してきた歩行者緊急ブレーキシステム搭載モデルが、ついに1000万台を超えた。歩行者は、エアバッグやシートベルト、防護服を装備していないため、無防備な道路利用者とみなされる。米国道路安全保険協会による2022年の調査では、歩行者用緊急ブレーキシステムを装備した車両はそのような技術を装備していない車両に比べ、歩行者が関係する事故の発生率が27%低いと結論づけられている。

衝突警告に限らず、システムが状況に応じて自動ブレーキ

メルセデス・ベンツの歩行者緊急ブレーキシステムは、交差する車両や対向車から、車両前方に衝突の危険が迫っていることを視覚的および音響的に警告する。ドライバーのブレーキ操作が軽すぎる場合は、システムがアシストし、状況に合わせて制動力を上げることができる。ドライバーがまったく反応しなかった場合は、アクティブ・ブレーキ・アシストが緊急ブレーキを作動させる。現世代の車両では、アクティブ・ブレーキ・アシストはカメラやレーダーベースのセンサー技術を使って、車両の進行方向前方にいる歩行者やサイクリストを検知。いわゆる交通弱者と呼ばれる人々との衝突の危険が差し迫った状態で検知された場合、衝突の可能性を回避するため、あるいは衝突の程度を最小限に抑えるために、必要な制動力が計算される。

メルセデス・ベンツは20年間でサポートシステムを継続投入

メルセデス・ベンツは、1996年に最初のブレーキ・アシスト・システム(BAS)を導入した。2005年には、レーダー技術がブレーキアシストシステムを強化するために使用され、そのわずか1年後、専門家たちはさらに進化させた車間距離制御システムDISTRONIC PLUSとBAS PLUSブレーキアシストを組み合わせ、自律部分ブレーキを備えたPRE-SAFEブレーキを開発した。2013年には重要な歩行者検知機能が追加され、Eクラス(W212)で初めて導入された。2016年には、新型Eクラス(W213)の発売に合わせて、歩行者緊急ブレーキシステムが初めて標準装備された。2021年以降、アクティブ・ブレーキ・アシストはメルセデス・ベンツのすべての新型車に標準装備されている。低速走行用のいわゆるシティ・エマージェンシー・ブレーキ・アシスト・システムは、2022年7月以降、EUで新たに認可されたすべてのタイプの乗用車に義務付けられている。2024年からは、新たに登録されるすべての乗用車に義務付けられることになる。

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