OBRIST社は、シリーズハイブリッド車用の革新的な無振動メタノールエンジン、Zero Vibration Generator(ZVG)の開発を進めている。このエンジンの特徴は、逆回転する単気筒エンジンを2つ配置し、1次と2次のバランサーでエンジン本体を無振動状態に保つことである。エンジンの振動原因は主に2つあり、往復慣性力の不均衡による振動Rと、トルク変動に伴う振動Mである。振動Mは、筒内圧力により発生し、負荷が高いほど大きくなる。
ZVGは、3つのプロトタイプを経て発展してきた。1stプロトタイプでは、カウンターウェイトが1次バランサーとして機能し、ほぼ無振動状態を実現。2ndプロトタイプでは、2機の逆回転ジェネレーターを搭載し、反力モーメントを均衡させた。3rdプロトタイプでは、左回転のジェネレーターに代わり、ヘロンバランサーを追加し、右回転するジェネレーターの反力モーメントを釣り合わせた。
ロータリーエンジン(RE)は振動Rはゼロだが、トルク変動に伴う振動Mが問題となる。対してOBRISTのZVGは、従来の振動問題を解消し、BEVに近い快適な走りを実現する可能性を秘めている。また、このエンジンはガソリンとメタノール仕様があり、環境に配慮した設計となっている。
詳細を読む→無振動エンジンを開発せよ:OBRISTのZero Vibration Generator