グリーンスチール採用の背景
日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする、カーボンニュートラル(CN)を目指すことを宣言している。国内産業部門のCO2排出のうち38%を、自動車製造の根幹を支える鉄鋼業界が占めることから、鉄鋼材料のCO2排出量削減は急務とされている。
いすゞは、温室効果ガス排出量削減を積極的に推進するために、調達パートナーとの協力が欠かせないことから、高炉メーカー3社(神戸製鋼所、JFEスチール、日本製鉄)が生産する、マスバランス方式を適用したグリーンスチールを購入。バッテリーEV(BEV)小型トラック「エルフEV」をはじめとする量産車の原材料の一部への採用を開始する。また2026年6月の稼働開始を目指し、現在建設中である「The EARTH lab.」の主要鉄骨材にも約1,000トンの採用が決定された。自社のCN商品開発のみならず、多角的な側面で社会のCN化に貢献する。

神戸製鋼所「Kobenable Steel」
“Kobenable Steel”は、神戸製鋼所が独自の高炉向けCO2低減ソリューションを活用し、同社の加古川製鉄所及び神戸線条工場で製造している全ての厚板、薄板、線条製品が対象とされている。また、従来と同等の品質を維持できることから、神戸製鋼所が強みとする特殊鋼線材や超ハイテン等の高品質が要求される高炉材についても、顧客が安心して活用することができる。
JFEスチール「JGreeX」
“JGreeX”は、JFEスチールが同社のCO2排出削減技術により創出した削減量を任意の鋼材に割り当てることで、鉄鋼製造プロセスにおけるCO2排出量を大幅に削減した鉄鋼製品である。JFEスチールはJGreeXの供給を通じて顧客の脱炭素化を支援し、カーボンニュートラル社会の実現を目指す。
日本製鉄「NSCarbolex Neutral」
“NSCarbolex Neutral”は、日本製鉄が鉄鋼製造プロセスにおけるCO2排出削減量を環境価値として具現化したグリーンスチールである。JFEスチールはNSCarbolex Neutralの供給を通じて顧客の脱炭素化を支援し、カーボンニュートラル社会の実現を目指す。