コマツ、スウェーデン・Boliden社アイティク銅鉱山でパワーアグノスティックトラックの稼働を開始

「パワーアグノスティックトラック」は、コマツの主力機種である電気駆動式超大型ダンプトラック930E（積載量:290トン)をベースに開発された次世代マイニングトラックである。同じ車体のプラットフォームで、ディーゼルから、バッテリーや水素などの多様な動力源に交換可能なモジュラー設計が採用されている。これにより、将来的に動力源の切り替えが必要となった場合でも、柔軟に切り替えることが可能となる。ディーゼルとトロリー充電で運用を開始し、将来的には顧客のニーズに合わせバッテリー電動や水素燃料電池など、より環境負荷の低い動力源へのスムーズに移行が可能。

今回導入されたディーゼル・トロリー式モデルには、トロリーアシスト機能が統合されており、燃料消費量および温室効果ガス排出量の削減に貢献する。これは鉱山現場の電動化に向けた第一歩であり、脱炭素社会の実現に向けた重要なマイルストーンとなる。

コマツは2024年9月、ラスベガスで開催された鉱山機械見本市「MINExpo」にて本トラックが初公開され、その将来性の高いコンセプトが注目を集めた。アイティク銅鉱山は、欧州でも最大規模を誇る高生産性の鉱山であり、今後12か月にわたって実用化に向けた性能検証が行われる予定。

コマツの「GHGアライアンス（※２）」創設メンバーであるBoliden社は、持続可能な鉱業の実現に向けた取り組みを加速している。今回の「パワーアグノスティックトラック」の導入は両社にとって脱炭素化を実現する上での貴重な知見と学びをもたらすとともに、その成果は、コマツの「パワーアグノスティックトラック」シリーズのさらなる進化を促進し、両社が共有する鉱業の低炭素化の実現を力強く後押しすることが期待されている。

【注釈】

1. コマツ調べ
2. 「GHGアライアンス」とは、コマツと大手鉱山企業12社がともに鉱山オペレーションのゼロエミッション実現を目指し、コマツは次世代の鉱山機械の商品企画、開発、テスト、導入などの各工程に関する情報を、鉱山企業は鉱山におけるインフラ設備に関する情報を、相互に提供し、緊密に連携する枠組みのこと。