近年、製造業においては、より高度な品質管理やボトルネックとなる工程の特定・課題解決などを目的として映像分析の活用が進んでいる。映像分析を活用することで、従来難しかった工程ごとの稼働状況の定量的な把握が可能になる。特に、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて人の移動が制限されている中、海外に生産拠点を持つ企業を中心に遠隔での管理や改善に向けた需要が高まっている。
そこでNECは、様々な分野で導入されているNECの映像分析技術を活用した「工場付加価値時間計測ソリューション」の提供を通じて、顧客の生産現場で日々行われている「カイゼン」の質を高め、生産性向上に貢献する。
また、本ソリューションの販売開始と合わせて、顧客の製品やサービスとNECの技術を組み合わせてビジネスの創出を目指す取り組みである「NEC共創コミュニティ for Partner」に新たに「NEC共創コミュニティ for Industrial Technology」を追加した。今後、本ソリューションで取得したデータと設備側で取得できるログとを組み合わせることでより高度な品質管理を目指すなど、技術支援や技術実証で連携を行い、顧客とともにビジネス拡大に取り組む。
本ソリューションの特長
工場内に設置されたカメラの映像から、作業員の手や体の動きをNECの映像分析技術を活用して自動検出し、検出した時間を組立・検査工程における付加価値時間と換算して計測する。計測したデータから稼働率の数値化や作業エリアごとの状況のグラフ化を行うことで、工程間の関連性やボトルネックとなっている工程を分析することができる。これにより、製造ラインの人員配置の検討や作業員の育成を通して製造ラインの最適化を支援し、生産性向上に寄与する。
映像分析をする際は、一般的に高度な画像処理が可能なGPUを搭載した機器が必要になるが、本ソリューションでは手・人などに特化した映像分析用の学習モデルの採用により分析処理にかかる負荷を低減したため、汎用的なCPUを搭載した小型の機器(注2)で映像分析が可能である。さらに、システムの構築や設置場所ごとの詳細な設定も不要なため、安価かつ短期間での導入を実現する。
また、6ヶ月に一度のメジャーアップデートを組み込んだライセンスモデルを提供するため、常に最新の映像解析技術を利用することができる。
工場付加価値時間計測ソリューション 1年ライセンス
希望小売価格（税別）：700,000円
提供開始時期：2021年9月30日
販売目標：グローバルで3年間1,000ライセンス
パトライト 執行役員 グローバルマーケティング本部長 近藤 敦氏
このたびの「工場付加価値時間計測ソリューション」販売開始を心より歓迎いたします。パトライトは現場改善を支援する活動を強化しており、表示灯を活用したIoT機器「WDシリーズ」を販売しております。「工場付加価値時間計測ソリューション」による人の作業状況可視化と、「WDシリーズ」による機械の稼働状況可視化、これらのシナジー効果は高く、お客様の稼働監視をトータルサポートできます。現場の稼働率の把握は現実解であり、工場現場の改善活動に貢献できると期待しています。
デンソーウェーブ 執行役員 神谷昌宏氏
株式会社デンソーウェーブは、「工場付加価値時間計測ソリューション」の販売開始を心より歓迎いたします。「工場付加価値時間計測ソリューション」は映像処理技術を活用し、定量的な観測が可能になっています。Factory IoT実現に必要な様々なデバイスとITを繋ぐ弊社IoT 製品と組合せる事で、数値データに基づく人と設備両面にて現場改善を促進するソリューションとして各企業様に貢献できるものと確信しております。
(注1) 本ソリューションの利用に際しては、お客様において、従業員の方に撮影した映像の利用目的(生産性向上を目的とした分析であり、他の目的には利用しないこと)を事前に説明し同意を得ておくことを前提としています。
(注2)動作検証済みのコンパクトボックス型コントローラ(NECプラットフォームズ製)を推奨