モデルチェンジの概要

コマツは1996年に全旋回式のクローラーキャリア(呼称:くるくるダンプ) CD60R-1を市場導入した。

当該機は、⼟地造成、圃場整備、林道⼯事、河川⼯事等の不整地現場での土砂や資材の運搬に使⽤されており、耐久性や360度旋回機能、コンパクト設計による狭小作業性などで好評を集めている。近年では、災害復旧工事におけるニーズも高まっている。

今回のフルモデルチェンジでは、高出力で燃費効率に優れる新型エンジンを搭載し、経済性・環境性が向上されている。
また、エンジン配置のレイアウトを工夫し、運転席から右側側方の視界性が大幅に向上された。
さらに、周囲監視カメラ、傾斜角度デジタル表示などの機能追加やメンテナンスフリーバッテリーの採用などで安全性や整備性を大幅に向上させており、市場ニーズに対応している。

CD60R-3

主な商品の特長

1.環境性、経済性

(1)新型エンジンを搭載し、エンジン出力が8%向上
 ・「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律」(通称「オフロード法」)2014年基準に適合した新開発のエンジン「SAA4D107E-5」を搭載。
 ・従来機(CD60R-1)よりエンジンを小型化しながら出力を8%向上、燃料消費量も低減している。

(2)オートデセル・オートアイドルストップ機能を搭載
 設定により、自動的にエンジン回転数を下げるオートデセルと、自動的にエンジンを停止するオートアイドルストップを標準装備し、余分な燃料消費を抑制する。

2.安全性・信頼性

(1)視界性の大幅な向上
 ・エンジンのレイアウト最適化により、直接目視できるエリアが増え、より安全に作業が可能。
 ・後方および右側周囲視認用のカメラを標準装備し、直接目視できないエリアも確認が可能。

(2)傾斜角度デジタル表示、ボディ下げ忘れ表示灯機能の搭載
 ・慣性センサユニット(IMU)を搭載し、シャシーの傾斜角度をデジタル表示。急傾斜を検知すると、表示色が変化し、ブザー音でオペレーターに危険を通知する。
 ・ボディが上がっている間、モニター画面右上にアイコンが表示され、ボディを上げたまま走行した場合はブザー音でオペレーターに知らせ、ボディの下げ忘れ防止をサポートする。

3.耐久性・整備性

(1)過積載警告灯を標準装備
 ・過積載状態をモニター上で確認できる機能を搭載。過積載による不安全な走行の防止と車体への過剰な負荷の抑制を図る。

(2)メンテナンスフリーバッテリーの搭載とバッテリーアクセスの改善
 ・電解液補充の必要がないメンテナンスフリーバッテリーの採用により、液面点検が不要となりました。インジケーターで簡単にステータスを確認が可能。
 ・バッテリーの位置の最適化によりバッテリーへのアクセスが改善され、メンテナンス作業の負担を軽減する。

4.輸送性

(1)狭小現場にもスムーズに搬入可能な軽量・コンパクト設計
 ・機械質量が10トン未満の軽量・コンパクト設計により、輸送手段の選択肢が広がった。
 ・狭小現場への搬入や稼働も可能な高い機動性を備え、優れた輸送性と現場対応力を実現。

【発売月】 2025年6月
【公表価格】 37,300千円 *工場裸渡し消費税抜き
【販売目標】 80台/年