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あくまで市販パーツに拘ったユーザーライクな仕様
空力とタイヤの抵抗を抑え前回を上回る記録を狙う!
HKSの旗艦店として、多くのチューニングカーを手掛けてきた“HKSテクニカルファクトリー”。そんな同店の仕上げたGR86デモカーは「誰にでも真似できる仕様」をテーマに、スペシャルパーツを一切使わずポテンシャルアップさせているのが特徴だ。
2023年3月の最高速テストで238.17km/hをマークしているが、今回は250km/h超えを達成するために各部のアップデートを敢行。
主な変更点は、ファイナルギヤをノーマルの4.1から4.3に変更しつつ、路面との抵抗値を抑えるべくタイヤサイズも255から235にダウン。さらに、エアロパーツによるドラッグを抑制するためにGTウイングとフロントカナードを撤去し、空気抵抗を排除するアレンジも行っている。
当初のコンセプト通り、HKSの市販パーツのみで構成されるエンジンは、新たにコールドエアインテークシステムを投入し、ECUのセッティングも変更。レブリミットを7800rpmまで引き上げ、7500rpmでシフトする設定だ。
エクステリアはHKSのタイプSボディキットでフル武装。これらは最先端のCFD(数値流体解析)をフル活用して誕生した高機能チューニングパーツなのだが、最高速においては抵抗が大きすぎるため、リヤウイングとカナードを撤去した。
駆動系はファイナルの変更と同時に、リヤデフを機械式2WAYから純正トルセンに戻した。車高調はHKSハイパーマックスR(F9kg/mm R10kg/mm)で、ブレーキは前後ともにエンドレス(F6ポットライト+340mmローター RS4R+326mmローター)。ホイールはアドバンレーシングRSIIIを履く。
満を侍してのリベンジアタックとなったが、結果は250km/hには届かなかったものの前回を上回る245.09km/hをマーク。ライトなNAチューンドとしては限界に近い数値を叩き出したのだ。
アタッカーを務めた稲田大二郎は「エンジンのフィーリングはかなり良かった。前回に比べてトルクの立ち上がり方が鋭くなっているし、加速フィールも抜群。今回はエアロパーツを色々と外してきたそうだが、バンク内でも安定していたし、それらが結果に繋がったんじゃないかな。NAで250km/hは正直しんどいと思うけれど、HKS軍団ならやってしまいそうだから怖いね(笑)」と評価。
「やっぱり甘くないですね(笑) 将来的には過給機のインストールを考えていますが、まずはNAでしっかりと速いクルマに仕上げることが最優先。もう少し煮詰めてみます!」とは、HKSテクニカルファクトリーの菊池さん。
圧倒的な技術力を武器に、GR86/BRZと向き合い続けるHKSテクニカルファクトリー。“3度目の正直”に期待したい。
●取材協力:HKSテクニカルファクトリー 埼玉県戸田市美女木5-2-8 TEL:048-421-0508
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HKSテクニカルファクトリー
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