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ミッション本体のスワップ以外にも豊富なノウハウが必要!
愛着あるマシンでMT操作を楽しむべし!
クルマを購入した時は利便性を求めてATを選択したものの、「MTを選択しておけば良かった…」と思い直すのはよくある話。そんな時に活用したいメニューが、AT→MT載せ換えだ。
関東でAT改MT換装と言えば、千葉県にあるラスティー。昔からAT→MT載せ換え作業を得意としていて、膨大なノウハウを蓄積している。現在もほぼ毎日のように載せ換え作業のスケジュールが入っているという老舗ショップだ。今回、題材となったBRZ(ZC6)の場合、元々MT車の設定があるため作業自体は楽な部類に入る車種。
6速MT本体は中古でも手に入りやすいし、クラッチペダルやブレーキなども、解体業者がMT載せ換えキットとして販売しているほど。かなりの部分がボルトオンに近い状態だが、パーツを取り付けただけではセルモーターが回らず、不要になったATクーラーの配管加工やABSユニットの変更、さらにはECUのプログラム変更…と、パッと挙げただけでもボルトオンというわけにはいかない部分が多数あるのだ。
BRZのAT改MTに必要なパーツ群がこちら。肝心の6速MT本体に加えて、クラッチやペダル類、プロペラシャフト、MT用ABSユニット、スターターセルモーターなどが必要となる。
室内でも、MT車とAT車ではシフトパネル形状が異なる。BRZの場合はもちろん純正パーツの流用で問題なし。これがATしか存在しないモデルだと、シフトゲート周辺パネルを作る手間が発生する。
手前がBRZのMT用で、奥がAT用のプロペラシャフト(1軸)。スプライン径や長さが微妙に異なるため、MT用に交換しなければならない。
86/BRZの場合、ABSユニットも交換する必要がある。このABSユニットはMT用もAT用も同じ品番なのだが、ECUと初めて通信をした瞬間に、AT用かMT用かのデータが書き込まれるため、MT載せ換えの場合は新品のABSユニットに交換が必要なのだ。
セルスターターモーターもAT用とMT用で仕様が違う。また、AT車はエンジンを始動させる際にPかNレンジに入っているかどうかを判断する配線があり、この部分に細工をしないとセルが回らないのだ。
「AT改MTは自動車メーカーによってクセがあるので、それを把握した上で作業しないと載せ換えが難しい車種もありますね。パーツをMT用に交換すればそれで完成…なんて車種はほとんどないので、経験のあるショップに作業を依頼した方が後々のトラブルも少ないと思います」とはラスティー代表の有田さん。
ラスティーのAT改MTの場合、車検時に必要な書類まで用意しての提供となるまさにコンプリートメニュー。価格は86&BRZ(Z#6)で60万円〜、JZX90で50万円~、JZX100で50万円~、JZX110で68万円~、JZS161アリストで125万円~、JZS171クラウンで80万円~、GRX13#マークXで150万円~、GRX18#クラウンで170万円~V35スカイラインで100万円~、Z33フェアレディZで100万円~という設定。作業やパーツを揃える手間や後々の事まで考えると、かなりお得と言えるだろう。
●取材協力:カーメイクラスティー 千葉県白井市冨士51-4 TEL:047-441-6226
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