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ダイレクトなシフトフィールは超快感!
AT比率の高いロードスターRFのお手本仕様
激戦区のスーパー耐久GT-5クラスをND型ロードスターで制覇(2021年)するなど、輝かしい戦果を挙げている“オーバードライブ”。ストリートからモータースポーツまでND型ロードスターに精通するマツダチューナーは、RF(リトラクタブル・ファストバック)の6速ATモデルをどのように評価しているのだろうか。
「大人のオープンスポーツと呼べるRFはAT比率が非常に高い1台。ATの完成度は高くマニュアルモードにすればダイレクト感のあるシフトフィールが楽しめます。また、サーキットで連続周回する場合でもATFクーラーは必要なく、保険的に高性能なATFフルードへ交換するだけで良いタフネスさも魅力ですね」とは代表の武地さん。
続けて「ただ、ノーマルエンジンはスポーツ走行を楽しむには非力。とくにカタログスペックで158psしかない前期モデルは点火時期も甘いので、痛快な走りを手に入れるならハイカム&ECUでパフォーマンスの底上げを最優先で図っていきたいですね」とのこと。
今回取材に協力してくれたのは、年に数回鈴鹿サーキットのスポーツ走行を楽しむ前期ATモデルのオーナー。吸排気チューンでは思うように加速していかないシーンが多かったため、オーバードライブに相談。ハイカム&ECUを投入したところ、パワーの物足りなさがなくなって一気に8秒ものタイムアップを果たしたというから恐れ入る。
なお、パワースペックは実測180ps&20.0kgmというもので、マニュアルモードを使わない街乗りにおいても中間領域のピックアップが大きく改善し、人馬一体感が高まったそうだ。
オーバードライブのECUは燃調や点火時期、バルブタイミングにスロットルマップなどをマップ拡大とともに最適化。中高回転のパワー感はノーマルとは比較にならないほどだ。
ちなみにハイカムに関しては、後期モデルには投入不可。しかしながら、後期モデルは吸排気+ECUのみでカム交換した前期モデルを上回るそうなので、これからRFのATを狙うのであれば後期モデルが狙い目とのことだ。
ダイレクトなシフトフィール、優れた燃費性能を重視して開発されたロードスター専用の6速ATは、RFに相応しいフィールとなるように制御面をチューニング。緩やかな加速時に回転数が吹け上がってしまう現象を抑制しつつ、スポーツ走行時のターンインでの変速タイミング、ターンアウトの駆動力制御といった部分へ緻密なセッティングを加えている。
ノーマルのままスポーツ走行を楽しんでもトラブルやチェックランプ点灯といった事態は招かないが、保険として高性能なATフルードを入れておくと安心だ。オーバードライブではスーパー耐久で信頼を寄せているMOTULのマルチATFを推奨している。
RFは水温や油温、ATFともにさほど神経質にならなくても問題なし。スポーツ走行へウエイトを置くならラジエター&ATFクーラーを投入しても良いが、ストリート主体でサーキットを楽しむ程度なら放熱効果高めるクーリングボンネットのみでOKだ。
ノーマル状態ではドラポジがしっくりこなかったオーナーは、ワークスベルのラフィックスIIでDシェイプのMOMO製カーボンステアリングに交換。ラインナップにはRF用シフターがなかったため、パドルは自作したそうだ。
エンジン保護のシフトダウン制御が入った際にブレーキ頼みとなることや市街地走行での安心感を重視し、ファイナルコネクションのブレーキシステム(F6ポット R4ポット FR330mmローター)でストッピングパワーを強化。サスペンションはテインのモノスポーツ(F7kg/mm R5kg/mm)で、この他オートエクゼのスタビライザーやオーバードライブの強化ブッシュなども装備した仕様だ。
ホイールはボルクレーシングTE37ソニック(FR8.5J+40)17インチだが、武地さんは「速さにウエイトを置くなら、迷わず15インチです。RFはチューニングしてもトルクは20Kgm台。曲がる、止める、加速するといった部分を考えれば、15インチと17インチでバネ下重量が20Kg近く変わりますから、走りに対する影響は想像以上に大きいですよ」と語っている。
フットワークはND5RCで鍛え上げたセットアップが投入でき、コーナリングマシンとして高い完成度へと導けるRF。フルードさえ交換すればスポーツ走行も安心して楽しめるタフなATを備えたパッケージは、街乗りからサーキットまでこなせるモダンスポーツとしての素質十分というわけだ。
●取材協力:オーバードライブ 大阪府八尾市太田新町7-216 TEL:072-920-6888
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オーバードライブ
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