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アメリカ中のロータリー使いが集結する超大型イベント
アメリカで開催されるマツダ車&ロータリー車のイベントとして最大級の規模を誇る「SEVENSTOCK(セブンストック)」。通算25回目を数えた2023年のイベントは、これまで会場としていたフォンタナのオートクラブ・スピードウェイに代わり、アーウィンデール・スピードウェイで開催。歴代のマツダ車はもちろん、他メーカーのモデルにロータリーを載せた個性派も会場を埋め尽くした。今回は特に注目を集めたマシンたちをピックアップ形式でお届けしよう。
水冷式インタークーラーで吸気温を下げよ!
カーボン製のフロントスプリッターとサイドスカートで、さり気ないコスメを施したFC3S。エンジンルームにはワンオフで製作されたと思われる水冷式インタークーラーが存在感を放っている。インテークマニホールドの上にはカマボコ型のステーを何枚も連ねたカバーが装着されているが、これも恐らくヒートシンクのように吸気温を下げる目的で装着されているのではないだろうか。アメリカではウォーター・トゥ・エア・インタークーラーと呼ばれる水冷式インタークーラーは、Vマウントに代わる新たなトレンドとなるかもしれない。
アメリカのドリ車人気は衰え知らず!
ブリスター形状のワイドフェンダーを備えたFC3S。超深リムのホイールは、アメリカンブランドのGMRの鍛造3ピースVSS-16だ。
サイクルフェンダーとVマウントを実現したエンジンルームには、ボルグワーナーのタービンを備えた13Bターボを搭載。バケットシートは様々なトリムオーダーに応えてくれる、アメリカのSTATUSをチョイス。ドリフトミサイルらしくロールケージも備わる。
RX-3フェイスと4ローターツインターボの仰天RX-7!
テキサス州のF3モータースポーツが製作したのは、一見すると正体不明のFD3S。フロントフェイスはRX-3(サバンナ)の現車から移植され、全てメタルシートでワンオフ製作されたワイドフェンダーも備わる。
エンジンは4ローターで、4本の配管を一度1本に集合し、フロント左右にマウントしたギャレットG42-1200へと導かれる4-1-2等長エキゾーストマニホールドを製作。トランスミッションは、何とランボルギーニ・ガヤルドの6速マニュアル・トランスアクスルに換装されている。
さらにサスペンションにはC7コルベットのパーツを流用するなど、全方位隙なしの日米欧ミックス変態仕様を構築。何とも自由の国らしいモディファイだ。
オーナーが愛情込めて作ったレーシングレプリカ
1979年のIMSAデイトナ24時間レースに参戦した、77号車をモチーフにしたレプリカ仕様だ。エアロパーツやオーバーフェンダーは実車より少し控えめだが、特徴をよく捉えており、オーナーの拘りと愛情を感じさせる。エンジンは13Bのツインキャブ仕様。ホイールはカラーリングこそ違えど、オリジナルと同じスピードスターマークIIIを装着する。
無骨なタイムアタック仕様がドラッグマシンに即席コンバート
ギャレットの巨大なタービンと、フロントマウントのインタークーラーが勇ましい3ローター仕様のFD3S。この日の会場となったアーウィンデールにはドラッグレース場もあるため、フリー走行を楽しむためにリヤタイヤをドラスリにチェンジしていた。全米各地で開催されるタイムアタック戦のGRIDLIFEのゼッケンが貼られていることから、本来はタイタン7の鍛造ワンピースにポテンザRE-71RSを組み合わせたタイムアタック仕様と思われる。
MX-5ミアータのキットカーに13Bを搭載
こちらは、アトランタにあるExomotive(エクソモーティブ)が開発したExocet(エクソセット)というキットカー。NAとNBのMX-5ミアータ(ロードスター)のコンポーネンツ移植を前提で作られたチューブラーフレームと各種パネル類が提供される。
ただ、必ずしもロードスターのパワーユニットに拘る必要もなく、ホンダのK型やGMのV8エンジンが搭載されるケースもある。そしてこちらは13B型ロータリーターボを備え、インタークーラーをフロントに搭載。超軽量シャシーによるスーパークイックな走りを予感させる。
PHOTO:Akio HIRANO/TEXT:Hideo KOBAYASHI