目次
ボンネットは中央を窪めた独創形状!
日本を代表するチューンドJZA80、見参
高い人気と実力を兼ね備えたトップレーシングドライバー、MAX織戸こと織戸学選手。“MAX ORIDO RACING”では、自ら開発したオリジナルパーツと厳しい目でチョイスした各種カスタマイズパーツの販売&施工を行っている。その拘りを具現化したのが、織戸さんの愛車でもあるこのJZA80型スープラだ。
エクステリアは、自身がデザインをプロデュースしたRIDOXエアロを装着。空力を意識したデザインと、深紅のボディの所々に残されたカーボン地のコントラストは機能美と呼ぶに相応しい。また、今回のオートサロン出展に向けて、新たにドライカーボンボンネットとフェンダートリムを追加し、ホイールおよびウイングも変更。2024年スペックへと進化させたわけだ。
新作のボンネットはドライカーボンという素材の特徴を生かし「構造的にはすごく難しいんだけど、FD3Sみたいに中央部が凹んだ形状を目指したかったんだよね」と、立体的なデザインを採用。ちなみに、中央部は純正と比べて70mmほど下げることに成功したというから恐れ入る。
広い人脈を活かし、製作はスーパーGTマシンのエアロパーツ開発も請け負っているビルダーに依頼。純正ストライカーだけで超高速走行に耐えうる強度を与えるために、裏骨の形状を完全に見直すなど、随所に織戸流の拘りが詰め込まれているのだ。
「拘りまくったから価格はそれなりに高くなっちゃいそうだけど、クオリティは間違いないよ」とは織戸さん。
フェンダートリムはJZA80専用品ではなく、すでに販売中のGR86用を移植。これにより、フェンダーの拡大幅はフロント30mm+9mm、リヤ50mm+9mmまでアップ。19×10.5J-15のアドバンレーシングRZ-DF2と、275/35-19サイズのアドバンネオバAD09を余裕で飲み込むほどのキャパシティだ。
リヤウイングは、ダックテールからサードのGTウイングFUJIへと変更。「JZA80スープラにはやっぱりGTウイングが似合うんだよね」とのこと。
心臓部は、HKSの3.1LキャパシティアップグレードキットにGTIIIタービンを組み合わせた620ps仕様。スペック的には十分だが、「エンジンルームをスッキリさせたくて…」との理由から、バッテリーを移設してABSもキャンセル。エンジンベイも追求しているわけだ。
今後はエンジンを降ろしてワイヤータックを進め、ゆくゆくはコンプリートカー展開まで視野に入れているそう。一流レーサーでありながら、チューニングカー道を探求し続ける男の相棒。カッコ良すぎるだろう。
ブースには、開発中のヘッドライト&テールレンズを装着したGR86も展示されていた。このライティングパーツはどちらも点灯パターンを選べるだけでなく、ハウジング内には「MAX ORIDO」の刻印も刻まれたオリジナルスペック。GR86ユーザーは発売を心待ちにすべし!
TEXT&PHOTO:山本大介