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ベースは希少な左ハンドルのエアロトップ!
ターボチューンに飽きたオーナーへの新たな提案
トヨタを代表するスポーツモデルであり、最強の2JZ-GTEユニットを搭載したJZA80スープラ。SZはNA、RZとGZはターボとなり、チューニングシーンで人気だったのはハイパワーでチューニングも容易なターボモデルだ。
そんなJZA80チューニングシーンに対するアンチテーゼとして製作された脱定番マシンが、今回紹介するターボ改スーパーチャージャー仕様である。
オーナーは過去にNA改スーパーチャージャー仕様のJZA80スープラに乗り、自身で中古車販売をメインにしたショップ“カープロデュースオリイ”を営んでいる折居さん。「以前のNA改スーチャーのスープラは、走る気満々で作ってもらったクルマなんですが、年齢と共に全開で踏むようなシーンもめっきり減ってしまって。そこで、気負わず気軽に乗れる1台が欲しかったんですよね」と、今回のスープラ製作のきっかけを語る。
ベースとなったのは、ちょうど在庫として保有していた“訳あり”の輸出仕様(前期/AT)だった。
「エンジンが酷い状態で、売るにしてもオーバーホール必須で…。今後の扱いに悩んでいたんですが、たまたまガレージに遊びに来ていたカーショップポルシェ代表の藤本さんが、店舗の隅にストックしていた2JZ-GTEエンジンを見て、“それに載せ換えて余った予算でチューニングすれば?”と提案してくれたんです」と折居さん。
とはいえ、ベース車両は前期モデルで、ストックしていた2JZエンジンは後期モデル用。VVT-iの有無など多くの違いからポン付け搭載とはいかない。さらに、折居さんがターボチューンには食傷気味だったこともあり、最終的に過給機をターボシステムからスーパーチャージャーに切り替えた後期型パワーユニットをカスタムインストールする方向でまとまった。
スーパーチャージャー本体はHKSのGTS8555をドッキング。VVT-iの制御まで含めたマネージメントは、F-CON Vプロ3.4が担う。風量的にはブースト圧1.4~1.5キロで600psも狙えるが、オートマの耐久性も考えて安心して長く乗れる500ps仕様を目指し、セッティングを煮詰めている段階だ。
アルトラックでワンオフ製作されたEXマニは、まるで往年のレーシングカーのような長く巻いたレイアウトが特徴。「左ハンドル車なのでEXマニ側に余裕があるし、タービンも撤去するので、そのスペースを活かして上側にパイプが盛り上がるようなレイアウトにしたかったんです!」とは折居さん。
超ロングEXマニを目立たせるために、その他の部分はブラックアウト&カバーリング。HKSのパワーフローも純正のエアクリーナーボックス内に隠すようレイアウトしている。
純正バンパー開口部を埋め尽くす前置きインタークーラーも、主張しすぎないようブラックアウト化。スリーパー仕様を徹底しているのだ。
室内も純正然とした仕上がり。現状、オートマには一切手を入れていないが、今後セッティングを煮詰めてさらなるパワーアップを狙いたくなった場合は、マニュアルへと載せ換えることも視野に入れているそうだ。
この車両の場合、ベース車両の特殊性からチューニング費用はかなり膨らんでしまったが、通常のNAモデルがベースであれば、前期後期問わず100万円程度でGTスーパーチャージャー化が可能とのこと。脱定番を望むJZA80スープラオーナーは検討してみてはいかがだろうか。
●取材協力:カーショップポルシェ 山梨県南アルプス市東南湖952-2 TEL:055-284-0813/カープロデュースオリイ 山梨県南都留郡鳴沢村4467-1 TEL:0555-28-7655
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