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関西の名門チューナーが挑んだ大作
世にも珍しいハイコンプ・スーパーチャージャー仕様
「狙いを超えるほど良いものに仕上がったんですよ」と、このスーパーチャージャー仕様の存在を教えてくれたのは、フジタエンジニアリングの藤田代表。
“馬力ではなくフィーリングを追求したい”というオーナーの要望に応えるカタチで製作したそうだが、13B-REWからターボシステムを捨て去って、遠心式スーパーチャージャーを組み込むなど脱定番すぎる。細部を見ていこう。
ターボとの組み合わせを想定した、圧縮比9.0:1の13B-REWのままでは理想的なレスポンスが得られないと判断し、ローターにはRX-7用よりも11%軽く、圧縮比も10:1のハイコンプ仕様であるRX-8純正を導入。
さらにアペックスシール溝を加工して13B-REW用のアペックスシールを組み込み、耐ブースト性能を高めているのも見逃せない。
ポート形状は、オーバーホールと同時にフジタエンジニアリング謹製のニュルスペック(サイドポート拡大加工)へとアップデートしている。
組み合わせるスーパーチャージャーは、HKSのGTS7040。マッチングとしてはワンサイズ大きいGTS8550でも問題ないが、ハイコンプ化しているので過給圧を抑える方向であること(設定はピークで0.35〜0.4キロ)、そしてターゲット出力が250〜260psという前提でのチョイスだ。
インタークーラーはフジタエンジニアリングのオリジナルだが、重量増やレスポンスの悪化を避けるために、やや小型のコアサイズをセット。サーキットアタック仕様でも採用しているパーツで容量面での不安はない。なお、効率改善とフロントリフトの防止のため、オリジナルボンネットは後方に排出ダクトが設けられる。
一方の足回りは、フジタエンジニアリングのアフラックス車高調を軸にセットアップ。しなやかに路面を追従するストリート向けの仕様だ。
ホイールはアドバンレーシングRGIIIで、タイヤにはアドバンネオバAD08R(255/35-19 R265/30-19)を組み合わせる。
エクステリアもフジタエンジニアリングの製品で武装。フロントバンパーはFEEDのVer.2で、サイドステップおよびリヤアンダーはカーボン製となる。GTウイングは1600mm幅で、ウイングステーの抜き文字がポイント。
こうして完成したスーパーチャージャー仕様であったが、試乗した藤田代表は湧き上がるトルクフィールに本気で驚いたという。「絶対的なパワーは数値なりですが、トルクの出方は3ローターに近い。レスポンスも良くて往年のNAチューンを彷彿とさせます。いや、ビックリしましたよ」とのこと。
最高出力こそターボに劣るものの、13Bロータリーチューニングの常識を打ち破る高トルク特性とハイレスポンスは、まさにオーナーが求めていたスペックそのもの。しかもそれが、関西屈指のトップチューナーすらも唸らせるほどなのだから、完成度の高さは言うまでもないだろう。
●取材協力:フジタエンジニアリング 大阪府堺市東区八下町1丁82-1 TEL:072-258-1313
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