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新作フェンダーとGTウイングの効果をテスト!
万全とは言えない状況の中でも好タイムをマーク
岡山の名門“オリジナルランデュース”が筑波サーキットに持ち込んだRZ34は、現状足回りセッティングを煮詰めている段階。現時点ではタイムアタック仕様ではなく、街乗り+α仕様と言ったところだ。
「足回りのセッティング変更を色々試しても、他のクルマと比べて2割くらいしか変化が体感できないのがRZ34。とにかく無駄な動きが多い印象です。そこで、フロントもリヤも剛性感を高める方向でセットしています。自分が良いと感じた方向性が正しいのか…。そこで今回は、菊地靖選手のコメントを聞きたいんですよね」とはランデュース浅田代表。
つまり、プロドライバーによるサーキット走行は今回の筑波アタックが初めてで、あくまでチューニングの方向性を確認するのが目的だという。
注目は東京オートサロン2024にて発表となったバリス製のRZ34用エアロパーツで、新たにフロントワイドフェンダーと、スワンネックタイプのGTウイングが追加設定された。
フェンダーはそのまま車検に通る片側8mmワイドサイズ。「車検的にはプラス10mmまで大丈夫ですが、塗装の厚みなども考えて8mmワイドで設計しています」とはバリスの矢萩さん。とはいえ、このプラス8mmによってリヤ用サイズと同じ10.5J以上のホイールがフロントにもラクに収めることが可能になる。ホイールデザインの選択肢も増えるはずだ。
そしてGTウイングは、先行発売されているダックテール調のリヤスポイラーとセットで取り付けできるように設計。スワンネックタイプにしたことで、マウントブラケットを前方に設計しても違和感のないレイアウトにしつつ、ダウンフォースも稼げるという一石二鳥のデザインだ。
この2点以外の装着エアロは、すでに発売されているバリスの『アライジング1』だ。左右に4つのダクトを設けるデザインは最近のバリス製クーリングボンネットの共通アイコン。S30Zのキャラクターラインをモチーフにしたパワーバルジも特徴的だ。
リヤの挙動が不安定なRZ34だけに、とくに効果的なのがアンダーディフューザー。こちらもバリス製で、サイドディフューザーとのデザイン的な繋がりが見事だ。バーチカルフィンは有/無のいずれかチョイスすることが可能。
足回りはHKSハイパーマックスRを軸にセットアップ。リヤサスメンバーのリジッド化やアームのブッシュを部分的にピロボール化し、剛性感を出す方向でセットしている。ロール剛性を高めるためにクスコの強化スタビライザーも導入済みだ。
ブレーキチューンも抜かりはない。前後にはオリジナルのキャリパーキットをフィッティング。性能はもちろん、ホイールから覗くキャリパーの造形美は、足元をスタイリッシュに見せるためにも重要なポイントだ。また、重量的にもノーマルキャリパーは意外と重いため、変更後も重量増がほとんどないのも、このブレーキキットのメリットと言える。
心臓部のVR30DDTTは、HKSのパワーエディターでブーストアップを行いつつマスタリーECUで燃調や点火時期を最適化する制御システムを採用。最大ブースト圧は約1.3キロで、最高出力は480ps前後とのことだ。
取材当日のアタックでは1分2秒109というタイムをマーク。「筑波サーキット初走行という割には、ちゃんとRZ34のウイークポイントが補われていて流石です。リヤだけじゃなくフロントの剛性感がかなり高く、エアロがダウンフォースを生み出していることも相まって、全体的な動きが良くて乗りやすいクルマに仕上がっています」とは菊地靖選手のインプレッション。
一方、製作者であるランデュース浅田代表は「1本目の走行ではガス欠症状が出てしまい、2本目はガソリンを満タンに近い状態まで入れて何とかタイムが出せました。菊地選手によると足回りの方向性は合っているようなので、さらに煮詰めていこうと思います」とコメント。
あくまでも、ユーザーフレンドリーなストリート仕様のままでタイムアップを進めるオリジナルランデュース。その動向は、全RZ34オーナー必見だ。
●取材協力:オリジナルランデュース 岡山県倉敷市三田118-1 TEL:086-464-0606
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