目次
DIYで進化した究極系のK12マーチ
インパルのスーパーチャージャーとTD04タービンをセット!
今回紹介するのは、愛くるしい表情が特徴のK12型マーチをベースにしたチューンドだ。パワーを徹底追求し、ツインチャージャー仕様にまで進化させてしまったという仰天仕様なのである。
「下はスーパーチャージャー、上はターボでカバーしたら面白いかも!」という発想から、ノーマルの1.4Lエンジンに、インパルの電磁クラッチ付きスーパーチャージャーとトラストのTD04-11Bタービンをダブル装着したのである。
オーナーは街乗り用にこのマーチを購入。しかし、すぐに低速トルクが細くモッサリとしたフィーリングに耐えきれなくなったそうな。そこで、実力派チューニングショップ“ピットロードM”に相談し、胸のすくようなパワー&トルク感を求めてTD04タービンを軸にしたボルトオンターボ化を行うことに。
その結果、CR14DEエンジンは最大ブースト0.6キロ時に170psをマークするまでにパワーアップ。狙い通りの出力特性に大満足のオーナーだったが、しばらくして「ターボの特性が少しだけ唐突かも…。誰でも違和感なく楽しめるフラットなフィーリングに仕上げたい」と、新たな野望が頭を巡った。
そこでスーパーチャージャーの追加インストールに踏み切るわけだが、同時にここから先はDIYで仕上げることを決意。機械設計の仕事をしていることもあり「ひょっとしたら自分でできるかも…」という自信と興味があったからだ。もちろん、軽い気持ちでスタートしたのではなく、工具一式をはじめ、プラズマカッターやTIG溶接機などまで揃えて臨んだそう。
コンプレッサーシステムにはORC製TX07を軸にしたインパルのキット(現在は廃盤)を採用。キット付属のインマニを途中でカットし、アルミ製サージタンクと結合している。ちなみに、サージタンクは120φのパイプをカマボコ型に加工して大容量化したワンオフ品だ。
サージタンクの容量アップに伴い、インタークーラーパイプの径も50φから60φへと拡大。これも溶接機を駆使してアルミパイプを加工した力作で、バッテリーをラゲッジスペースに移動するなど、可能な限りストレートに近い形状を目指したという。
ラジエターはAE111用アルミ3層へと交換して容量アップ。ただし、K12の純正マウント位置でコアを拡大すると干渉してしまう。そこで、ラジエターサポートメンバーをアルミで新設し、パイピングと干渉しないようにオフセット装着している。
機関系のみならず外装もオーナーがリメイク。マーチらしいエクステリアに拘り、あえてフルバンパーやリアウイングといった大物パーツは装着していない。LEDテールランプはピットロードMのオリジナルだ。
怒涛の過給機パワーをキッチリと路面に伝えるべく、FRP製フェンダーをネットオークションで手に入れ、片側15mmのワイドトレッド化を実現。見ためのカッコ良さはもちろん、しっかり機能も果たしているパーツだ。
最高出力は不明だが、恐らく実測で200psは超えているはず。マーチのツインチャージャーと言えば、K10型のマーチスーパーターボが真っ先に思い浮かぶが、このK12はその正常進化版と呼べる存在なのかもしれない。
●取材協力:ピットロードM 兵庫県姫路市安富町安志912 TEL:0790-66-3359
記事が選択されていません【関連リンク】
ピットロードM
http://www.pitroadm.com/