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BCNR33に入る限界サイズと走れる最低車高を目指してセットアップ!
ショ−トストローク化のためマジェスタ用のチャクリキダンパーを流用
GT-Rに入るリミットサイズのホイールを探り、車高も街乗りできる限界のローフォルムを目指したというBCNR33。フロントのカナードやリヤのGTウイングといった空力デバイスからも察しがつくように、このクルマは元々走り最優先のストリート仕様だったが、オーナーの生活環境の変化で走りに行く機会が激減。そこで、クルマ遊びの新たな方向性を求め、この路線に辿り着いたという。
セットしたホイールは、ワークのVS XX。サイズはフロントが18×10.5Jでオフセットはマイナス36、リヤは18×11.5Jでオフセットはマイナス12という強烈な深リムだ。ナットには、超超ジュラルミンの7075A材を材料としたNRGの高強度アルミ合金ナットを合わせる。タイヤはフェンダーの干渉を避けるために、フロント225/35R18、リヤ235/40-18を引っ張りで組み付けている。
ここまで車高を落とすと、ストローク量を規制しない限りフェンダーとの干渉やアームロック(アームがフレームに干渉して機能しなくなる状態)が起こってしまう。そこで車高調にはシャコタン御用達の326パワー“チャクリキダンパー”を、しかもストロークの短い18系マジェスタ用を選んでインストール。スプリングはフロント36kg/mm、リヤ28kg/mmとかなりハイレートで「乗り心地は…、一般的には最悪の部類でしょうねぇ」とのこと。
心臓部のRB26DETTはノーマルではなく、トラストのT517Zタービンをツインで装着した500psのファインチューンスペック。メカニカルなトラスト製のインテークパイプがチューンド指数を高める。
カーボンディフューザーから覗くデュアルテールのマフラーは、ハラ技研のワンオフ品だ。パスワードJDMの牽引フックがリヤビューのアクセントになっている。
コクピットは走りを予感させる仕上がりだ。ダッシュボードにはトラストの追加メーターが4連で並び、ドライバーズシートはレカロのSP-Gに交換。水中花シフトノブがこのBCNR33のキャラクター性を物語る。
フェンダーに関しては大きな加工は行なっておらず、フロントはツメ折り+チョイ広げ、リヤはツメ折りのみという状態だ。「GT-Rって、あまり車高の低いクルマが他にいないから、どこまでできるか挑戦したかったんです」とは、オーナーの言葉。走り系とドレスアップ系、異なる要素が複雑に絡み合い化学反応を起こしたBCNR33。まさに、ジャンルの壁を超えた極上のクロスオーバー仕様と言えるだろう。