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最高速の歴史を動かしたモンスターセダン!
1200馬力&110キロが繰り出す圧倒的な推進力
このJZX110は、最高速仕様として栃木県の超実力派チューニングショップ“フレンズ”が製作したストリートチューンドだ。
エンジンはJZA80前期型の2JZ-GTEをベースに、腰下にはトラスト製86.5φ鍛造ピストンとH断面コンロッドを導入して排気量を3.1Lまで拡大。ヘッドにはJUN製の272度(10.8mmリフト)ハイカムを中心にした高回転化メニューが敢行され、レブリミット9000rpmを実現している。
なお、インジェクターは1000cc×6へと容量アップされているが、高回転域ではそれでも足りないためNOSウエットショットを打ち込んで燃料を強制増量させている。噴射制御はモーテックで行い、時速280キロ+スロットル開度80パーセント以上を前提に、6000rpmで1ステージ解放、6500rpmで2ステージ解放と、2段階の制御となっている。
組み合わせるタービンはTD06-25Gのツイン。EXハウジングには8cm2を使用しているが、これは中速域からのパンチ力を重視しながらオーバー1000psという目標出力をギリギリで達成できる絶妙のサイズ設定だ。EXマニはワンオフ仕様となる。
重要なマネージメントにはモーテックM800とモーテックCDI8を組み合わせ、全気筒を独立制御。ブースト圧やNOS噴射条件なども、M800でコントロールしている。
最高出力はブースト2.7キロ時に1200ps/110kgm。馬力を聞くとビックリするが、使用しているパーツ類は市販品ばかりだし、ストリートが前提なので軽量化は全く行われていない上にナビやオーディオ等の快適装備も満載なのだ。
最高速に重要なドライブトレインに関しては、6速9000rpmで時速360キロを超えるよう、JZA80純正ゲトラグ6速ミッションと3.1ファイナルの組み合わせ。ちなみに、デフはフレンズオリジナルの変換キット(強化ドラシャとデフスペーサーのセット)を使用して、日産R200がケースごと移植されている。
足回りはサスからアームまでフルでイケヤフォーミュラ製を導入。ホイールはダンロップRZF(9.5J+35)で、タイヤはダンロップZ1スタースペック(F245/40-18 R265/35-18)だ。
実際に、このチューンドはOPTION誌の最高速テストに参加してアッサリと時速349.8キロをマーク。その数値は、かつてヴェイルサイドBNR34がニュージーランド(ラリーニュージーランドアタック)で打ち立てた348キロを超える大記録。見事、最高速の歴史にその名を刻みつけたのである。
ともあれ、フレンズの卓抜したチューニング技術には舌を巻くしかない。
●取材協力:フレンズ TEL:0280-54-1650
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