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ユーザーの声に応えて生まれた完全新作!
ロードスターとしての真価と気品を現代クオリティで味わう
東京オートサロン2024で話題をさらったロッキーオート作の“ロッキー・2000GT”。すでに完売した3000GTのアピアランスを引き継ぎつつ、「さらにオリジナルに近づけた2000GT」というコンセプトで、寸法や構造を見直しながら製作された、完全なる新規設計のスーパーレプリカだ。
東京オートサロン用に製作されたオープンボディの「ボンドカー」は、世界に2台しか実車が存在しない007マニア垂涎のモデル。この激レアなボンドカーを完全な形として生み出したことは、世界的にもニュースになったほどだ。
もちろん、単純に当時の2000GTをトレースするのではなく、現代の道路事情やオーナーが求める快適性を兼ね備えることはロッキーオート流の必須条件。そのため、ボディの見直しに留まらず、シャシーやパワーユニットの選択もプロジェクトの価値を左右する重要な要件として吟味された。
ちなみに、最新の3Dスキャナーを駆使してオリジナルを忠実に再現したボディは5ナンバー専用で、前作3000GTとの共通点は灯火類くらいとのこと。
今作はオリジナルに準じた“5ナンバーモデル”とすることもテーマのひとつだったため、パワーユニットには2000cc以下で製造台数が多いBMW製のM52エンジン(1991cc)を選択。シルキーシックスとも呼ばれる滑らかな直列6気筒DOHCを組み合わせることで、やり過ぎ感のない近代化を実現している。
ダッシュボードも保安基準に関わる部品のため、公的機関による破壊検査などもしっかりと行った上で製作された。ローズウッドパネルで旧車らしさを演出しながら、オートエアコンやフットペダル式のサイドブレーキ、パワーステアリング、ステアリングのチルト機構など最新装備との見事な融和を実現している。
専用でリメイクされたバケットシートは、クラシカルな見た目に反してパワーシートを搭載。また、シートヒーターもオプションで用意されている。
クーペボディを改造したオープン仕様の場合、トータルデザインに破綻をきたすことが多い。しかし、ロッキー2000GTに関しては驚くほどスタイリッシュなフォルムを維持している。また、映画の撮影用に造られたオリジナルのボンドカーにはない幌やドアガラスをセットし、実用性を徹底的に高めている点も見どころと言えよう。
内外装パーツの再設計だけでなく、デザインの要となるフロントウインドウも5ナンバーサイズ化に合わせて新規製作。もちろん、破壊試験をパスすることで保安基準に適合させるなど自動車メーカー並みの開発プロセスを経ているのだ。
排気系は等長タイプのエキゾーストマニホールドに、キャブトンタイプのツインセンターマフラーを組み合わせて特徴的なテールスタイルを創出。
その他、ドアノブや灯火類、モール、エンブレムなどの小物まで、“本物”を忠実に再現したパーツを開発。これらは、2000GTの補修にも使えるレベルというから、その精度とクオリティがどれほどのものかは理解できるはず。
エンジンカバーに貼られるのは、監修を務めた細谷氏(トヨタ2000GTのテストドライバー&デザインアシスタントを務めた人物)直筆のサインをレーザーで切り出したプレート。ロッキーオートと二人三脚で作り上げたことを示すとともに、オリジナルの2000GTからの系譜を尊重したレプリカコンプリートの製作であったことを物語っている。
この夢のスーパーレプリカに試乗したOPTIONグループ総帥のDaiこと稲田大二郎は「前作の3000GTと比べて、このボンドカーはプロトタイプと言いながらも各部に進化を感じるね。とにかくフォルムが美しいし、ボディのチリやドア開口部の処理も見事だ」と絶賛。
さらに「見た目の仕上がりという部分だけでなく、実際に乗ってみると適度に重みがあるステアリングやペダル類の操作感から、“独特の旧車感”が伝わってきた。違和感のない操舵感にナチュラルなフィーリング。2.0Lでもパワー不足は全く感じないしな。現代の技術で快適なオールドカスタムカーを作ろうと考えた場合、何でもかんでも最新化したくなるのが一般的だ。しかし、ロッキーオートはオリジナルを尊重しながら“旧車”という絶対条件を守り続けた。素晴らしいな」。
続けて「オリジナルの2000GTには様々な伝説が残されているが、個人的には谷田部のスピードトライアルが最も印象に残っている。まだ学生の頃だったが、雑誌越しに感動したことを今でも鮮明に覚えている。そんな夢のスポーツモデルを独自の解釈で現代に蘇らせたロッキー2000GTは、もはや存在自体が奇跡だよ」とコメント。
製作者のロッキーオート渡辺代表が熱く語る。「3000GTをリリースした際に、5ナンバーサイズを求める方が多かったんですよね。で、3000GTが予定販売台数に達したタイミングということもあり、2000GTの開発をスタートさせました。それがやっとカタチになったという感じですね。ちなみに、エンジンは2000ccだけでなく、2800ccや3000cc、3200ccという選択肢もご用意しています。 あ、それとボンドカー(オープンモデル)ばかりが注目されていますが、もちろんクーペボディのモデルも設定していますよ!」。
気になる車両価格は、クーペが約3000万円(本州・諸費用込み)、オープンが約3330万円(同)という設定だ。このプライスをどう捉えるかはユーザーそれぞれの判断に委ねるが、国宝級の名車を完全再現したロッキーオートの技術力と情熱には、ただただ感服するばかりだ。
●問い合わせ:ロッキーオート TEL:0564-66-5488
【関連リンク】
ロッキーオート
http://www.rockyauto.co.jp