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旧車らしさと先進性が交錯する至宝のチューニング!
キャブチューンされたRB25改ニッパチの魅力
旧車人気が高まる中、ベース車探しが困難なほどの品薄(!?)状態が続いているハコスカ(C10系)。1968年(昭和43年)にデビューし、レースでは数々の金字塔を打ち立てた伝説の名車だ。
もちろんその代表として知られるのは、今に続くスカイライン伝説のルーツとも言える1969年に登場したGT-RのPGC10。その一方で、ストリートチューンやドラッグレースでパフォーマンスを鍛え上げてきたのが、L型エンジンを搭載するGT系だ。ちなみに、今回の取材車両がベースとする2ドアモデルは、デビューから2年ほど経過した1970年秋のラインナップとなる。
メイキングを担当したのは、ネオ旧車ブームの火付け役でもある“ロッキーオート”だ。その内容は、装備やボディの完全アップデートに加え、走り屋ユーザーでも感動できるレベルまで仕上げたという機関系が自慢の1台。
車両製作の第一歩はボディ。フレームから完全補強を加え、300psのハイレスポンスエンジンに対応できるよう徹底したレストアを加える。外観は、定番のR仕様だ。
換装されたエンジンはRB25DE改。ターボチューンを加えた徹底的なハイパワー仕様にするならば、RB26DETTという選択肢もあるが、ハコスカらしいフィーリングを狙い、あえてNAチューンを目指すということからベースはRB25DEに定められた。
内部には東名パワードの2.8Lキットなどを使い排気量を拡大、同時にハイコンプレッション化。このチューニングによって、最高出力は300psに達し、ノーマルエンジンとは比にならないほどのレスポンスとトルクの向上を達成している。また、ハイカムの効果で高回転までストレスなく吹け上がるのも醍醐味だ。
さらに、吸気はあえてソレックス44φを使ったキャブチューンとした。この選択により、いかにも旧車らしい豪快なフィーリングを得ることができるのだ。とはいえ、点火系はコンピュータで緻密な制御がなされているため、始動性の不安や回転域によるフィーリングのムラなどの心配はご無用。
排気系も、オリジナルの等長EXマニに加え、デュアルマフラーにより、エンジンの性能を引き出すことはもちろん、高音の効いたサウンドを奏でるチューニングとなっている。
足回りのチューニングも徹底。フロントサスペンションは調整式アーム等で最適なアライメントを実現しつつ、スタビの強化でロール量を低減。リヤも、車高ダウン時の過度なネガティブキャンバーを抑制するために、キャンバー調整が可能な調整式ロワアームを投入して補正している。駆動系はR32用(FS5W71C)ミッション、フィン付きカバーの後期型R200デフ+機械式LSDに変換して強化済みだ。
ブレーキは前後ともにR33用の新品ブレーキをセット。当然リヤもディスク化され、サイドブレーキは油圧タイプに引きなおされている。
ロッキーオートの拘りでもある快適装備もしっかりインストールされている。その最たる例が、油圧式パワーステアリングの装備だ。取り回しのストレスを解消するだけでなく、同時にラック&ピニオン化されているためハードに攻め込んだ際のステアフィールも大きく改善できるわけだ。
インテリアを覗けばパイオニアのHDDナビ&オーディオが確認できる。最近は各地のイベントやミーティングに参加するオーナーが多く、必須装備でもある。
ヘッドライトはHID化。好みによってハイビーム、ロービームの色温度を変えるなんてことも可能だ。
旧車好きはストックのエンジンに拘る人も多いが、40年以上前のモデルとは思えない快適性と鋭く吹け上がる直6の走りを体感すると、これはこれでアリかも…と思うはず。それほどまでに違和感がないのだ。興味あるユーザーは、一度ロッキーオートを訪れてみてはいかがだろうか。
●取材協力:ロッキーオート TEL:0564-66-5488
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