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フットワークの強化とトルクアップでパワー不足をカバー
FR本来のドライビングを堪能できるチューンドSXE10!
「街乗りからサーキットまで幅広いステージをカバーしたい」というアルテッツァオーナーからのオーダーが多いという“イージーマジック”。そこで、ターボ車に比べると非力なパワーでタイムを稼ぐために最も重視しているのが、足回りのセットアップだ。
軸となるのは、しっかりとストロークさせることでダイレクトでかつしなやかな足に仕上げたというオリジナル車高調。アペックスのN1ダンパーがベースで、バネレートはフロント18kg/mm、リヤ14kg/mmの設定だ。
サイズの割にヘビー(1300kg〜)なアルテッツァでは、乗り心地を確保したいからといってソフトにしすぎると荷重変化が過剰となり、アンダー/オーバーが激しいクルマになってしまう。そのため、ストロークは十分に確保しながら、バネレートや減衰特性はややハードに設定するのがセオリー。
また、アルテッツァはリヤが唐突に動く傾向が強いため、ブッシュの強化やピロ化、メンバー加工などを実施。フロントもピロ化や補強パーツの追加などで接地感を高めている。
ブレーキは、純正キャリパーでも容量は十分に確保されているが酷使すると次第にキャリパーが開いてくるため、前後ともに優れた強度と剛性を備えたUCF30系セルシオ純正モノブロックキャリパーに交換。ローターもJZA80スープラから流用している。
一方、3S-GEエンジンについては「低中速トルクが細いうえにスロットルの反応も鈍く、モッサリとした印象を受ける」というのがイージーマジックの見解。この車両では戸田レーシングの2.2Lキットとハイカムを組み込み、TRDの4連スロットルを搭載。
それに伴い、エアフロ制御からスロットル制御へと変更。当初はファンネルがムキ出しだったが、熱害でトルクを損失していたため、アクシアスポーツのカーボンインダクションボックスで熱を遮断。エアクリーナーもワンオフのアルミボックスで保護している。
制御はパワーFCが担当。ただし、アペックスの基本データは全体的にかなり濃い設定になっているため、高負荷時を中心に燃料噴射量を適正化。加速増量マップや点火タイミングマップの他、可変バルタイや電子制御スロットルのコントロールもパワーFCで行なっている。これらのモディファイによって中間域のトルクは大きく改善される。
サーキット走行をする場合、マストとなるのがデフオイルクーラーだ。限られたスペースに収めることができるサイズとして、セトラブの9段コアを使った汎用キットをチョイス。冷却性能の向上はもちろん、オイル容量も0.5L増えるため、オイルの劣化速度を抑える効果もある。
なお、LSDは「アクセルオフでの引きずりが少なく、ターンインもスムーズ」と、ATSの1.5WAYを組み込んでいる。
NA+FRというパッケージで、デビュー当時「ハチロクの再来か」と騒がれたアルテッツァ。引き締められた足回りに、軽快感を味わえるエンジンを実現したこのチューニングの方向性は、ハチロクと同系統の楽しさを実現してくれるのだ。
●取材協力:イージーマジック 愛知県瀬戸市美濃池町72-1 TEL:0561-86-0933
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