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NAのままで420馬力を絞り出すTC24-B1Z改
OS技研のコンプリートエンジンをさらにチューニング!
モーテック制御のL型エンジンを搭載し、JDDA(ジャパニーズドラックバトル)ウエストでクラス3連覇という偉業を成し遂げたS31Zの登場だ。
2018年にスペックアップを狙ってパワーソースを一新。搭載されたのは、OS技研のL型ツインカムヘッドが組み込まれた「TC24-B1Z」だった。ただし、コンプリート仕様をそのままではなく、“プロショップ・ナカガワ”によるオリジナルチューニングを敢行。排気量を3240ccまで高め、NAながら420ps/42.5kgmという強烈なスペックに仕上げられている。
なお、ポートは高効率化を狙ったストレートポート仕様を採用。ただし、そのままではインマニ&スロットルがボンネットと干渉するため、エンジンは角度を変えて直立搭載。オイル溜まりの角度が適合しなくなったことから、オイル潤滑は安定したドライサンプ方式へと変更している。ちなみに、高回転時に適正な油圧とするためのプーリー比が不明だったため、実走での油圧をモーテックでモニタリングしながらセットアップを行なったという。
53φの6連スロットルはOS技研の試作品だ。インジェクターには霧化特性に優れる12ポートタイプを使い、モーテックでシーケンシャル制御する。
ECUはモーテックのm84。点火&燃料系の気筒別制御やロガー機能を充実させるため、エンジン後方からクランク角に加えカム角の信号も取り出している。
点火系はトラブルが多いデスビを撤去し、ダイレクトイグニッションへと変更。1万回転オーバーでも正確なスパークを実現する。
こうして完成したNAフルチューン仕様だが、そのポテンシャルは想像以上のものだった。ドラッグレースでのベストタイムはこれまで10秒78だったが、TC24-B1Z改に換装した直後のシェイクダウンで10秒48と、いきなり更新。今後セットアップを煮詰めれば、NAのまま9秒台入りは間違いなく達成するだろうとのことだ。
ちなみに、OS技研のツインカムエンジンは高回転域もスムーズで自然と1万回転近く回る性能を持っている。そんな高性能エンジンだからこそ、高精度な電子制御を取り入れることでポテンシャルを余すことなく引き出すことができるのである。
SPECIFICATIONS
■エンジン:OS技研TC24-B1Z(オリジナルチューン・直立搭載)、試作6連スロットル、専用インマニ(ストレートポート)/ワンオフEXマニ、カムシャフト(IN/EX320度11mmリフト)/MORE DRIVE 89.5φピストン、86mmストローククランク、コンロッド/モーテックm84/サード12ホールインジェクター(550cc×6)/トラスト アルミラジエター ■ドライブトレイン:トラスト6速シーケンシャル/MORE DRIVE カーボンツイン(オフセットフライホイール) ■サスペンション:テイン スペシャライズダンパー(6kg/mm)/MORE DRIVE パイプアーム ■ブレーキ:F ウィルウッドキャリパー R AE86キャリパー&ローター ■ホイール:ウェルド ドラッグライト(15インチ) ■タイヤ:フージャー(Fフロントランナー Rドラッグスリック)
●取材協力:プロショップ・ナカガワ 兵庫県姫路市余部区下余部1239 TEL:079-272-3883
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プロショップ・ナカガワ
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