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強烈な個性とインパクトを放つ日本とイタリアの混血児
ワンオフ製作された足回りにも注目!
日本には1996年に導入され、2006年まで販売されたアルファロメオの2ドアクーペ「GTV」。ワイド&ローなボディは、イタリアの名門カロッツェリア、ピニンファリーナがデザインを担当。サイドに深く彫られた、後方に向かって切れ上がるキャラクターラインがエクステリアにおける最大の特徴だ。
エンジンは、当初2.0LのV6ターボ(201ps)と直4NA(150ps)を用意。ミッションはV6に6速MT、直4に5速MTが組み合わされた。後にV6は3LのNA(220ps)→3.2LのNA(240ps)と変更。他に類を見ない独創的なスタイリングと、官能性では世界屈指と評されるV6エンジンに、日本でもコアでディープなファンが多い。
そんなアルファGTVをベースにしたスーパーチューンドがこちら。何と心臓部には、HKSのキットで2.3Lまで排気量を拡大した4G63ユニットが鎮座しているのだ。
ヘッドにはHKSカムシャフトが組まれ、強化ポンプや850ccインジェクターで燃料系の強化も敢行。そこにセットされるタービンはHKS GT3037。制御系はエンジンハーネスを製作した上でF-CON Vプロが導入され、最大ブースト圧1.5キロ時に480psを発揮する。
スロットルボディはインフィニティ用φ90を装着。スロットルバルブ径の拡大で吸気抵抗の低減を実現するだけでなく、全域でのレスポンスアップも期待できる。
エンジン&ミッションマウントは現車合わせのワンオフ。ちなみにミッションもランエボ用の5速が搭載されているが、リヤに駆動トルクを伝達する必要がなく、FF用として使うため、内部に加工が施されている。もちろんドライブシャフトもワンオフだ。
また、クラッチにはエクセディのツインプレート、デフにはクスコ機械式LSDを投入して、大幅なパワーアップを見越した駆動系の強化も抜かりナシだ。
ラジエターはコア面積をできる限り広く取ったアルミ製ワンオフ品。大型電動ファンも追加して、フルチューン4G63の性能を安定発揮させるクーリング性能を手に入れている。
ワンオフ製作されたマフラーはステンレス製で、排気効率を追求してストレート構造を採用。サイレンサーはセンターに設けられるだけで、リヤオーバーハング部を中心とした軽量化も考えられている。
トランクルームにコレクタータンクをセット。燃料ポンプは純正タンクからコレクタータンク、コレクタータンクからエンジンに送る2基が備わる。いずれもボッシュ製だ。
足回りも徹底的にモディファイ。フロントは、アルファGTVのシェルケースを加工してHKSのCZ4A用車高調を装着。スプリングはハイパコ製が組み合わされる。
リヤは取り付け形状の問題をクリアしながら、目標とする車高ダウン量とストローク量を確保するためにワンオフ製作。ダンパーは十分な容量も確保するため、別タンク式が装着される。
メインメーターはパーカルラップコムで各種情報を集中管理、その隣にはブリッツブースト計が装着される。また、センターコンソールにはHKS EVCと燃料計を装着。その下にはF-CON Vプロも確認できる。
助手席とリヤシートを取り払ってシングルシーター化。ロールケージはワンオフの7点式が組まれ、安全性とボディ剛性を高めている。いかにもサーキット仕様…といえる作りだ。
エクステリアは基本的にノーマルで、リヤにGTウイングが装着される程度。ホイール&タイヤは、フロントがプロドライブGC-010G(9.5J+44)&ポテンザRE-11(255/40R17)、リヤがシュテルン(8J+39)&アドバンA048(245/40R17)というセットアップ。
チューニングベースとして、パフォーマンス的には文句のつけようがない4G63を載せたアルファGTVが、果たしてどれくらいの速さを見せるのか? 期待は膨らむばかりだ。
●取材協力:エスプリ 三重県鈴鹿市住吉3-19-1 TEL:0593-70-8080
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