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テーマは通勤もサーキットも不満の出ないオールラウンド仕様!
R35の持つ堅牢さを活かした高耐久の600馬力仕様
ゼロヨン8秒台を叩き出すハイパワーマシンや、そのノウハウを活かしたストリートスペックなど、数多くの名チューンドを製作してきた兵庫県の“エンドレス”。そんな同社が、峠を模したコースでのテストに持ち込んだのはスタッフ所有の通勤用R35GT-Rだ。
平成20年式の15万kmオーバーという車両のため、耐久テストを兼ねてブーストアップ仕様の限界を探っているというエンジン。なお、タービンのアクチュエーターは強化品を入れても高回転でタレるため、敢えてノーマルのままながら、最大ブースト圧1.4キロ設定で600psを発生させている。
また、クラッチは油圧アップやシーリング処理、ディスクプレートを7枚に増やすなどしてパワーをかけた際に滑らないよう対策済みだ。
優れたアクセルレスポンスの肝となっているのが、サクションやエアフロのパイプ。エンドレスのブーストアップ仕様は、吸気系のパイプ径を全て80φで統一。空気の流れがスムーズになることで、アクセルレスポンスを向上させるのだ。
足回りは、街乗りからサーキットまでを考えた味付けになっているエンドレスのオリジナル車高調(F20kg/mm R18kg/mm)でセットアップ。フロントにはカンサイサービスのショートアッパーアームも取り付けられている。
フロントにはカンサイサービス、リヤにはトップシークレット製のワイドフェンダーを装着し、285/35R20サイズのポテンザRE-71Rを履く。ホイールは前後ともに11J±0サイズのアドバンレーシングGTだ。ブレーキは、前後にRH9ビッグローターキット(F390mm R380mm)を投入してストッピングパワーを増強している。
街乗りや通勤での使用がメインのため、軽量化などは一切せずに内装や快適装備も全て残された状態。シートがレカロに変わっている以外は、至って普通の室内だ。
インプレッションを担当したレーシングドライバーの佐藤公哉選手は「サーキットで足回りをセットされたクルマですが、減衰力を少し下げるだけで峠道の路面のうねりにも対処できましたね。ステアリングを切った時にフロントの入りが良く、素直に曲がってくれる印象です。リヤのスタビリティも高く、600馬力というパワーでも雨の峠で一切不安なく走らせることができました」とコメント。
このマシンのポイントとなっているのは、レスポンスに優れたエンジンと、余裕のある駆動系の作り込み、そしてサーキットスペックの足回りの3つ。特別なモディファイがなされているわけではないが、GT-Rを楽しみ尽くせる仕様に仕上げてきたのは、老舗ならではのセットアップノウハウあってこそだろう。
●取材協力:エンドレス 神戸市西区岩岡町古郷字南場960-8 TEL:078-969-2555
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