目次
パワーも足も絶妙なセットアップが光る!
トータルバランスに優れたチューンドGRヤリスをサーキットで試す!
ノーマルでも侮れないポテンシャルを発揮するGRヤリスだが、その素性をさらに引き出すべくA PIT オートバックス東雲が製作した1台がこちら。「HKS製パーツでチューニング&強化していくとどれだけ速くなるのか」をテーマに、ユーザー目線に立ったストリートチューンを実践。筑波サーキットコース2000では1分2秒750という好タイムを刻んでいる。
細部の仕様を見ていく。タイムだけ聞くと、かなり手が入っていそうな仕様にも思えるが、エンジン本体はもちろん、タービンに至るまで純正のまま。
吸排気系は、HKSコールドエアインテーク・フルキットやインタークーラーキットで吸気温度を抑制しつつ、メタルキャタライザー+ハイパワースペックL2マフラーにて排気効率をアップ。周辺環境を整えた上で、マスタリーECU(フェイズ1)を入れてECUデータを最適化しており、最高出力は270〜280psほど。サーキットの連続周回に備えて、オイルクーラーを追加している。
足まわりはHKSハイパーマックスR車高調で引き締められている。スプリングレート(フロント12kg/mm、リヤ16kg/mm)市販状態のままで、フロントの減衰設定も吊るし状態。
しかしながら、リヤのプリロードを積極的に掛けるなど一歩踏み込んだセットアップを実施。アライメントも独自のノウハウで仕上げられている。
「サーキットユース対応のスペックRとはいえ、筑波アタック時はバネレートが足りなかったためプリロードを掛けて対応しています。現状はクラッチやデフもノーマルのまま。ブレーキもエンドレスのスリットローター&MX72パッドを入れているくらいなので、まだタイムアップの余地はあります。デフを入れるなどして条件さえ整えば1秒台も視野に入ってくると思います」とA PIT オートバックス東雲の小野さん。
ホイールは、TWS T66FのA PIT オートバックス東雲オリジナルスペック。サイズは9.5Jプラス50で、フロントのみ5mmのスペーサーを入れている。タイヤは強力なグリップ性能を生み出すアドバンA052で、サイズは前後とも265/35R18をチョイス。
運転席はホールド性能が高く、十分な剛性を備えたフルバケットシート、レカロRMS2600Aに交換。アンカーも装備するクスコ・パワーブレースを活用して、サベルトのスポーツハーネスもセットする。
A PIT オートバックス東雲ではフロントフォグ上部の純正フィンに被せるカーボンアイテムやガーニーフラップなどのオリジナルパーツも鋭意開発中だという。リリースを期待して待ちたい。
取材当日は袖ヶ浦フォレストレースウェイでのテストを実施。
「エンジンは全域でトルクアップしているような印象。過給圧の立ち上がりが早いので、シフトアップしていった際の繋がりもいい。マフラーもスポーティでやる気にさせてくれるサウンドだ。サーキット対応のアシが入っているだけに乗り味はそれなりに硬め。でも縁石に乗ったときとかに出がちな衝撃とかはうまく抑えられていてマイルドにいなしてくれている。決して乗り心地が悪いわけじゃないよ。スポーティなフィーリングが好きなひとにはマッチすると思う。さすがバランスのいい1台に仕上がっているね」とはインプレを担当した青木孝行選手。
GRヤリスの実力侮りがたしといった印象だが、それもツボを押さえたチューニングが実践されているからこそ。持てる素材を無駄なく活かしてくるあたりはユーザー目線を大事にしている同店ならではといえるのではないだろうか。
そんなA PITオートバックス東雲では、GRヤリスの魅力をさらに引き出すべく、HKSとタッグを組んで開発されるオリジナル車高調、ハイパーマックスGATEスペックや、オリジナルエアロの開発も計画中というから、今後の動向にも目が離せない。
問い合わせ:A PIT AUTOBACS SHINONOME 東京都江東区東雲2-7-20 TEL:03-3528-0357
【関連リンク】
A PIT
https://www.apit-autobacs.com/