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B18Cスワップ+スーパーチャージャーの合わせ技!
86/BRZ用スーパーチャージャー装着の300馬力オーバー仕様
“トップフューエル”と言えば、数多くのターボ仕様のB型エンジンを仕上げてきた実績を持つ名門だ。それだけに、「300馬力までならエンジン本体ノーマルのままローリスクで扱いやすい仕様を作れる」ということは数多くの経験から実証済み。そんなノウハウを踏まえ、ターボ仕様以上の扱いやすさを求めて製作されたのが今回紹介するスーパーチャージャー仕様のEK9だ。
まず心臓部は、DC2インテグラタイプRのB18Cを換装。さらに、ストレートでも2.0Lターボ勢に負けない戦闘力を求めるオーナーの願いを叶えるために、過給機チューンも敢行した。本来ならばトップフューエル得意のボルトオンターボチューンで攻めるところだが、今回はあえてスーパーチャージャー仕様を選択。
ボルトオンターボで培った経験とノウハウから、B18Cノーマルエンジンの300psなら、ローリスクで扱いやすいエンジンに仕立てられることを計算。しかも遠心式スーパーチャージャーなら「同じ出力でもNAのようなフラットな特性で極端なトルク変動もないから、タウンユースでもタイムアタックでもメリットになる」と目論んだのだ。
装着されているスーパーチャージャーキットはHKSのGTS7040L。元々は86&BRZ用に開発された逆回転型スーパーチャージャーだが、B型エンジンもクランク軸の回転が逆回転仕様ということでこのモデルが選ばれた。
エアコンを残すのであれば、パワステを電動パワステに置き換える方法もあるが、このEK9ではタイムアタック仕様と割り切り、エアコンを撤去。コンプレッサーが設置されていたスペースを利用してGTS7040Lを搭載する。
スーパーチャージャー仕様ではアクセルオフで正圧状態になっているが、ブレーキのレスポンスを重視すると、アクセルオフ時のサージタンクは負圧にしておきたいところ。そこで正圧/負圧のコントロールを行うため、ブローオフバルブを導入している。
スーパーチャージャー仕様ではスロットル開度にもブースト圧が左右されるので、セッティングツールにはスロットル開度増量機能を備えるF-CON Vプロを選択。また、燃調や点火時期の調整の他、スピードリミッター解除やレブリミット変更、VTEC切り替えポイントの変更なども行なう。
少しでもロスを軽減するためにウォーターポンプの電動化を図ったが、冷却水の循環性が向上し、半面タイプのラジエターでも水温、油温ともに安定しているそうだ。電動ウォーターポンプのコントロールユニットはインパネにインストールされていた。
小径プーリーによるブーストアップとローコンプ化で350psオーバーも狙えるが、ミニサーキットを主戦場とするオーナーは、300ps+αが踏み切れる最適なパワーと判断し、現在の仕様を構築している。
「同じ出力でもNAのようなフラットな特性で極端なトルク変動もないから、タウンユースでもタイムアタックでもメリットになる」という狙いは的中し、ホットハッチとしての性能を高めた痛快マシンに生まれ変わったのだ。
●取材協力:トップフューエル 三重県松阪市中道町500-1 TEL:0598-56-5880
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