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SW20用の3Sターボを換装して大幅パワーアップ!
ダウンフォース増大を狙った空力チューンも注目
1984年にデビューした国産車初のミッドシップスポーツ、AW11型MR2。当時の最新鋭エンジン「4A-GE」をリヤミッドに搭載し、シャープなハンドリング性能と合わせて非常にダイレクトな乗り味を秘めていた。
そんな名車に、次世代型であるSW20の4気筒ターボユニット「3S-GTE」を換装して大幅なパワーアップを果たしたのが今回の取材車両。ベースとなっているのは、元々が4A-GZスーパーチャージャー仕様の後期型だ。
免許取得後、初めて買ったクルマがAW11だったというオーナー。その後、FD3SやGT-R等を乗り継いではみたものの、やはりAW11の楽しさが忘れられず、再購入に踏み切ったのが今の相棒だ。
当初はスーパーチャージャーのブーストアップ仕様で楽しんでいたが、多くの車歴、チューニング経験を経た今となっては4A-GZをいくらイジっても満足のいくレベルに達することはなかった。そこで、MR2チューニングを得意とする“TBS(テクニカルサロン・ベース・サイド)”で禁断のエンジンスワップに踏み切ったそうだ。
換装した3S-GTEは耐久性を考慮してエンジン本体ノーマルのブーストアップ仕様に留めているが、それでも300ps前後を出力しているためパワーフィールは十分。なお、3Sターボは油温に厳しいため、アンダーフロアにオイルクーラーを配置。インタークーラーはAW11用をそのままの位置に残している。
もちろん、エンジン以外のパートにもきっちりと手が入る。エクステリアは、空力を有効活用するべくフロントセクションをアルミと樹脂の特殊な合板でフラット化。合わせてリヤも汎用のディフューザーを使ってダウンフォースの向上を狙う。エキゾーストマフラーはTBSのオリジナルだ。
また、フェンダーは約50mmワイド化され、255/45-17というワイドなSタイヤを飲み込めるようにカスタム。ちなみに、AW11はPCDが100(4穴)でホイールの選択肢が少ないためPCDチェンジャーを使って5穴化している。
一方の足回りはアラゴスタの特注車高調を軸に構築。パワーチューニングや前後タイヤサイズの違いによるブレーキのアンバランスを解消するため、マスターシリンダーを加工し、可変の調整式プロポーショニングバルブ(ブレーキバランサー)を装着しているのもポイントと言える。
パワフルなターボユニットを手に入れ、それに合わせて全方位チューンが施された初代MR2。走りを予感させるエクステリアメイクを含めて、非常に魅力的なチューンドだ。
●取材協力:TBS(テクニカルサロン・ベース・サイド) TEL:042-935-0376