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ワンオフ車高調を組んでフェンダーツメ折り
ベース車選びで差をつけるシャコタンメイク!
極めてオーソドックスな3ボックスの4ドアセダンに見せかけておきながら、実は巨大リヤゲートを持つハッチバックモデルという、もはや存在自体がトリックアートのようなアプローズ。
オーナーの川野さんは、これまでエッセ、オプティ、タント、ストーリア…と乗り継いできた生粋のダイハツマニアゆえ、アプローズに辿り着いたのも必然だったと思うしかない。
ベースは1993年式中期型のリミテッド。4輪ディスクブレーキが与えられた上級グレードで5速MTモデルだ。エンジンは1.6L直4SOHCのHD-E型が搭載される。
このエンジンは76.0φ×87.6mmというロングストローク型で、SOHCながら4バルブヘッドが与えられているのが特徴。カタログスペックは120ps&14.3kgmとなる。取材車両のカムカバーはバフ掛けによって光沢感を放つ。
前席は運転席&助手席共に純正シートを撤去し、レカロ製LXを投入。
後席は、もう2脚買ったレカロシートの生地を使って張り替えられる。これでフルレカロ仕様の完成だ。そのクオリティは、「純正でこういう仕様があったのでは?」と思ってしまうほど。
3ボックス車なのにリヤゲートを持つのがアプローズ最大のポイント。開口部が大きいため、荷物の積み降ろしはたしかにしやすそうだが、ラゲッジルーム容量が一般的な4ドアセダン並みなのは言うまでもない。
車高調は関西の某ショップに1ヵ月ほどクルマを預け、型取りしてもらったワンオフ品を装着。アーム類はノーマルで(そもそも社外品など存在しない)、フェンダーにはツメ折加工が施される。サスペンションは4輪ストラット式で、リヤは車高ダウンにプラスしてキャンバーボルトを併用することでネガティブキャンバーを強めに付け、フェンダーアーチが軽くタイヤに被りつつ絶妙なクリアランスも生み出している。
「下回りを覗くとフロントロワアームが一番低いのですが、この車高なら路面と干渉することはありません。あとはワンオフマフラーですかね。メインサイレンサーを2分割式にしてもらってコンパクト化。最低地上高を稼いでます」と川野さん。
ホイールはBMW 3シリーズ(E30)用のACシュニッツァー製16インチ。PCD100だ。フロントエンブレムやサイドステップなどを輸出モデル用に交換して雰囲気を変えているが、その上で車高まで落としているアプローズは他にいないのでは?と思う。
そのカスタム手法を含めて、アプローズのシャコタンは恐らく唯一無二。他のどんなシャコタンマシンが隣に並んだとしても、孤高の存在であり続けられるんだから、これはもう無敵としか言いようがないのだ。
TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Hiroshima Kentaro)