「ベースはわずか14台のみ生産の超希少車!」20年以上の歳月をかけてBCNR33をフルメイク!

カッコ良さを追求する楽しみはR33が一番!?

余白を楽しむ大人のスタンスマシンメイク!

偉大な先代と後継に挟まれ、歴代の第二世代GT-Rの中では少し陰が薄い印象も否めないBCNR33。ここで紹介するR33オーナーの白坂慎一郎さんも、当初はR32かR34を購入するつもりでいたと話す。

「KP61に始まって、AE86、FC3S、ランエボのVIとVII…と、色んなクルマに乗ってきました。30歳手前で娘が生まれるのを機に、最後のクルマのつもりでGT-Rに興味を持ったんです。正直、当時はR33を買う気はなかったんですけど、ある時OPTION誌に載っていたオートセレクトさんのデモカーを見て、R33のカッコ良さに目覚めたんです」。

今では「このR33が一番好き」と断言する白坂さん。購入までに約1年を掛けて出会った個体が、R33の期間限定販売車であるLMリミテッドVスペックだった。生産台数14台という希少車で、専用色のチャンピオンブルーを始め、バンパーやリヤスポイラーなどの特別装備が与えられたモデルだ。

購入当初、それが希少な限定車であることをあまり意識していなかった白坂さんは、それまでもずっとそうであったように、自分好みの「低くて、走れて、カッコ良い」クルマ作りに着手。バンパーはR33を好きになるきっかけになったオートセレクト製に交換している。

エンジンは「24Uブロック」とも呼ばれる、N1ブロック仕様のRB26DETT。HKSの264度カムを組んだGT2530ツインターボ仕様で、NISMOのサージタンク、GCGのエキマニ、TOMEIのフロントパイプ、RSEのチタンマフラーなどで吸排気を強化。最高出力は550psを発揮するサーキット対応スペックだ。

「ただ、前ほどはサーキットにも頻繁には行かなくなって、興味の対象が少しずつ魅せるローダウンに向くようになっていったんです。なぜGT-Rでヴィジュアル重視になったのか…と問われたら、年齢を重ねたことによる心境の変化というのが答えですね(笑)」。

そんな風に二度目の大きな転機を迎えた白坂さんは、様々な条件を満たしてくれるエアサスという選択肢をチョイス。以前から知っていたムーンテックの腕を信頼し、インストール作業を依頼した。

ムーンテックが取り扱うploom(プルーム)のエアサスペンションは、大容量の全長調整式ガスダンパーを採用し、32段の減衰力調整も可能。シャフト径の太い競技用サスペンションにエアバッグが付いているイメージだという。

車高を下げることだけが目的であれば、エア圧ゼロでフロントタイヤがボディタッチする全長に調整すれば良いが、白坂さんのように「エアサスでもちゃんと踏める足にしたい」という目的に適うようにするには、走行時の車高で理想とするバネレートになるよう逆算して全長調整を行なう。そうすることで、エンジンのパワーをしっかりとトラクションに乗せることができるというわけだ。

イケヤフォーミュラとクスコのアーム類は、エアサスを使う前から白坂さん自身が理想とするセッティングを実現するために装着。ムーンフェイスのロールセンターアジャスターも備わり、車高を下げてもハンドリングを損なわない調整が取られている。

「車高調に比べて、乗り味はしなやかになりました。金属バネより柔らかいと感じることも確かにありますけど、ラフな路面でもバッチリ踏めます。それより段差を超える時とかショーに参加する時とか、シーンによって車高を変えられるメリットの方が勝ちますね。実際に車高調を使っていた時よりも、今の方がよく乗るようにもなりました」。

そう語る白坂さんにとって、その時その時で好みのホイールを選び、装着するのもライフワークのひとつ。

現在はボルクレーシング21CスペックSRを愛用。アルマイトではない特殊ペイントが採用されたシャイニングブロンズメタルが、大人っぽい足元を演出する。サイズは11.0Jマイナス10×18インチで、10mmのスペーサーを加えている。ノーマルフェンダーであれば、車高を落とした第二世代GT-Rにドンピシャなサイズ設定の鍛造ワンピースということで、多くのオーナーから注目を浴びそうだ。

フロントブレーキはエンドレスの6ポットに355φローターの組み合わせ。キャリパー表面を削ってNISMOのロゴを入れてある。リヤは純正キャリパーにV36型スカイラインの350mmローターを使用。

レナウンのステアリングはボディカラーに合わせたブルーのステッチを加えたワンオフ仕様。エアサスのコントローラーもムーンテックの技により、センターコンソールパネルに自然にインストールされている。クスコの13点式ロールケージ、ブリッドのジーグ4も備え、走れる環境を整える。

リヤウイングはボルテックス、LEDテールはクエストジャパン製。鍵穴をスムージングし、ウインカーおよびクリアテールをスモーク加工することで、一本のラインに見えるように工夫しているのも隠れたカスタマイズだ。

「こう言っては何ですけど、R33は元がカッコ悪いので、エアロで変わり映えを楽しめる余地がR32やR34より大きいと思うんです(笑) 自分のセンスで自分のクルマをカッコ良くできたら嬉しいじゃないですか」。20年近くBCNR33をイジり倒してきた白坂さんだからこそ言える言葉は、深みが違う。

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Photo:Akio HIRANO Text:Hideo KOBAYASHI

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