「ここまで低いS30Zは激レア!」ナローボディ+エアサスの組み合わせで魅せる!!

エンジンメイクよりも先に低さと細さを追求!?

ノーマルフェンダーに拘り抜いた美麗メイキング!

旧車人気が右肩上がりで高まる現在においても、時代の雰囲気に流されることなく不動の地位を確立しているS30Z。カリスマであり続けるが故にチューニングやカスタマイズの実例も多く、「他人と被らないいじり方」という願望を叶えるハードルは高い。

だが、そんなムードに臆することなく、敢えてのストックフェンダーにエアサスとアメ鍛ホイールというスタイルに挑んだのが今回紹介するマシンのオーナーである“MAO”さんだ。

「昔からずっと一番好きなクルマだったS30に乗りたい!」という夢を叶えたのが3年前。意を決して購入した車両は74年式の北米仕様ダットサン260Zで、エンジンは元からL28に換装されていた。盆栽の如く、長い時間をかけて変化と走りを楽しもうと腹を括り、焦らず、かといって恐れず、脳内で膨らませた構想を着実に具現化してきた。

そんなMAOさんのよき理解者であり、メインビルダーでもあるのが、大阪府摂津市にある“9010(クオイオ)デザイン”。ハイレベルな内装の張り替え作業で知られるショップだが、意外と守備範囲は広く、鈑金塗装やパーツの取り付け、各種加工のノウハウにも長けている。

車高調では到底叶えられない低さまで車高を落としたかったMAOさんは、エアサスのインストールをクオイオにオーダー。260Zの純正色であるリーフグリーンメタリックの塗り直しや、前後の240Zルック化も進めていった。

エアサスペンションの構成パーツのうち、ダンパーにエアバッグが備わるストラット本体は、クオイオと同じ摂津市にあるAPガレージが手がけるPneumatec(ニューマテック)を採用。日本国内の工場で生産され、データのない車種でも実車を採寸すれば高精度な製品を作れ、オーバーホールや部品の交換にも素早く対応してもらえる。

車体側はフロントフレームのスライス加工を施し、ビレットの調整式ロワアームも備える。

本来はデカバンパーが備わる260Zのフェイス回りを240Zルックにチェンジ。テールライトも260Zは上下二分割が本来の姿だが、いわゆるワンテールに変更してある。

「ノーマルフェンダーであることが個性!」という逆転の発想で、Zらしさをキープすると同時に、よりカッコ良くすることに成功。そもそも意外と車高が落とし切れないS30で、ここまでのローダウンとツラを表現できているところが唯一無二。

アメリカの鍛造ホイールメーカーCCWのラインナップの中でも、特に旧車との相性が良いClassicというモデルを採用。標準でARPのハードウェアが備わり、無骨さと気品を兼ね備える。MAOさんは国内でたまたま見つけた16インチの中古を購入し、あえてノーマルフェンダーに合わせるためリムを細くするリバレルを実行。タイヤはフロント195/45R16、リヤ205/45R16のアドバンネオバAD08Rを組み合わせる。

室内にはサイトウロールケージのクロモリ製ケージを組み、レナウンのステアリング、スパルコREV-J QRTなどを装着。MAOさんの次なるプランは、クオイオデザインの本領発揮である内装の総張り替えだという。

アキュエアのEレベルプラス専用コントローラーをセンターコンソールにインストール。車高を四輪個別で調整できる他、メモリーしておいた3種類の車高と全下げモードをボタンひとつで操作できる。

アメリカのASR製ドッグボーンシフターと、バトルクラフトのシフトノブを装備。本来はホンダ車用だが、MAOさんの本業である金属加工業の力を使い、シフトストロークが260Zのピッチに合うようにするアダプターを製作。純正シフトレバーが遠いというネガを解消した。

ワンオフマフラーと同様に、タクティカルアートの手で電動パワステ化を実現。軽自動車用のモーターを流用している。

エアタンク表面に巻いたトリムは、あまり伸びる素材ではないので、側面の球形に沿わせてキレイに張り込むのは技術的にもかなり難しいそうだ。シームレスタンクスに付属されるマウントブラケットもレザー仕上げとなっている。エアタンク前方で黄色い光を発しているのが、アキュエアEレベルプラスのコンピューター本体。スマホのアプリを使って光の色を変更することも可能だ。

購入時すでにL28型に換装されていたエンジン。現状はほぼノーマルだが、慌てず騒がずじっくりいじっていきたいとのこと。縦2本出しの伝統的スタイルを採用したマフラーは、これまた同じく摂津市にあるタクティカルアートがワンオフで製作。なんと欧州製スポーツカーのようなバルブ切り替え機能を備え、リモコンで電動アクチュエーターを操作することで音色を変えることができる。

ストックボディに車高全下げで、鍛造削り出しホイールとツラがするりと決まるフィニッシュは、常識に縛られないMAOさんならではの個性と言えるだろう。

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Photo:Akio HIRANO Text:Hideo KOBAYASHI
●取材協力:クオイオデザイン 大阪府摂津市新在家2-31-18 TEL:080-9473-9010

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【関連リンク】
クオイオデザイン
https://wavysavvy9010design.com

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