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快適性と速さを高次元で両立!
トータルチューンでパフォーマンスを底上げ!
1989年のショップオープンから、今年で35周年を迎えたカーステーションマルシェ。国内屈指のスバルエキスパートショップが手掛けるのは、4WDマシンばかりではない。前モデルZC6に続き、現行ZD8系のBRZでも積極的にオリジナルチューニングを展開中だ。
マルシェがストリートマシンのチューニングでコンセプトとしているのは「街乗りでの使い勝手は損なわずサーキットでタイムが出せる」というもの。そこでまずはベース車両を徹底的に見極め、ウイークポイントを対策しながらスポーツ走行に必要となるパフォーマンスの底上げを実施。今回は本庄サーキットで、アプライドAの前期型ZD8デモ車の実力をチェックしてみることにした。
「現在の仕様はNAエンジンでの完成形といえるものです。ZD8は先代のZC6に比べてボディ剛性を始めとしてチューンベースとしてのポテンシャルが大幅にアップしていますので、それを最大限に生かしてどこでも安心して踏んでいけるようなセットアップを目指しています」と説明してくれたのは、マルシェの石田代表だ。
そのためのキーパーツとしてまず注目したいのが、テインMONOレーシングをベースとしたマルシェスペック車高調だ。その特徴は微低速域の減衰力セッティング用のM.S.V.バルブにワンメークレース用サスのパーツを投入している点。
そしてダンパー性能をフルに引き出すために追加されたのが、最新の減衰力リモートコントロールシステムのEDFC5。ジャーク制御という対角輪の減衰力調整により、伸縮独立調整式のようなセッティングが可能になるというのだ。
このほかにもフロントロアアームブッシュをトリプルエフェクトブッシュ、リアメンバーブッシュに“合体くん”に変更。さらにLSDをクスコRSベースのマルシェスペックとして、ハイグリップタイヤに合わせたサス&シャシーが完成する。
スポーツ走行では絶対的な制動力はもちろん、コントローラブルに車速制御が可能なブレーキチューンが重要。テスト車が装着するのは、エンドレスのMONO4レーシング(前後)で、ローターサイズは前345φ、後332φだ。
装着ホイールはボルクTE37 SAGA SLで、サイズは前後とも9.5J×18 +45。組み合わせているタイヤはダンロップディレッツァのラリーターマック用の301Rでサイズは前後とも245/40となっている。
インパネまわりはほぼノーマルで、快適装備もフル完備。追加されているのはセンターコンソールのEDFCコントローラーくらい。シートはストリートの使い勝手を重視してブリッド・ストラディア3を選択している。
パワー系はノーマルエンジンのファインチューン仕様で、吸気をHKSコールドエアインテーク、排気もHKSのEXマニとマフラーを装着。ECUはECUTEKエディターによるオリジナルセッティングとなっている。
「なんといっても驚かされたのは、減衰力のリモートコントローラーEDFCの進化。テストではまず新機能のジャークモード、2本目はさらに車速&Gセンサーも加わるモードで走ったが、しなやかなのにしっかり限界域で踏ん張ってくれる。機能を理解して使いこなせれば、かなり細かくセッティングできそうだ。ただ初期の効きをマイルドにしたというLSDは扱いやすい反面、タイヤが温まっていない状態ではやや唐突に効くような印象だったね」とはインプレを担当した飯田章選手。
こうしたデモ車でのチューニングは、すべてユーザーカーに還元するためのもの。今後はHKSスーパーチャージャーでパワーアップを図り、さらにデータを蓄積していくというから期待してほしい。
●問い合わせ:カーステーションマルシェ 群馬県前橋市亀里町1224 TEL:027-265-6789
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カーステーションマルシェ
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